研究課題
グリオーマ幹細胞(GIC)は転写因子Soxll陰性・Plagl1陽性であり、これら因子の発現制御機構について検討し、以下の結果を得た。同時に関連する研究成果をまとめた。1、正常神経幹細胞から神経細胞への分化過程ではNeuroDおよびNeurogenin1/2がSoxllの転写誘導に働いている事が報告されている。このためこれら転写因子の強制発現がGICの神経細胞への分化を誘導できるか検討した。予想に反してこれら因子の強制発現はSoxllの転写、神経分化を誘導することができなかった。癌細胞では分化や細胞死に関わる因子のプロモーター領域がエピジェネテック変換により負に制御されている事が数多く報告されていることから、現在GICのSoxll転写制御領域についてエピジェネテック状態とそれに関わる染色体制御因子の結合状態を検討している。2、Plagl1の機能を検討するために、Plagl1の各種制御領域を欠損した発現ベクターを作製した。まず始めにPlagl1が神経幹細胞で重要な働きを担っているかについて、Plagl1 shRNAを用いて検討した。その結果、Plagl1は神経幹細胞の増殖に重要な働きを担っている事が判明した。次いでPlagl1の制御領域を明らかにするため、神経幹細胞に上記Plagl1欠損発現ベクターを導入し、それぞれの機能について現在検討を行っている。3、本年度は理化学研究所から愛媛大学に研究室を移動し、新しい研究室の立ち上げるため予定した研究計画の全てを達成することができていないが、研究成果を2つの論文にまとめる事ができた(Hide et al.Stem Cells, In press ; Takezaki et al. Cancer Science, In press)。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件)
Stem Cells
巻: (In press)
Am.J.Pathol.
巻: 178 ページ: 1805-1813
Cancer Science
日本臨床社
巻: 68 ページ: 986-990
巻: 68 ページ: 24-28
再生医療
巻: 9 ページ: 42-46
Anticancer agents Med.Chem.
巻: 10 ページ: 471-480