脳神経疾患に対する新規治療蛋白質補充療法の開発に向け、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターやその産生細胞を用いた脳組織への新規薬物送達システム基盤技術開発を推進した。従来のベクター精製における密度勾配超遠心操作はGMP生産やSOP管理の観点で不利であったが、イオン交換やゲル濾過クロマトグラフィーを応用し、超遠心操作の省略に成功した。純度の高いベクターを応用することで、脳組織への遺伝子導入や脳神経疾患の治療実験において、安全に効果的な遺伝子導入が可能であった。また、ベクター産生型腫瘍標的細胞の開発に向け、体性幹細胞へのベクターコンポーネント導入条件を確認した。
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