研究課題
培養脊髄神経細胞を用いてメカニカルストレスに対するDNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現解析を行った。細胞の機械的ストレスには、培養細胞に周期的牽引負荷を与えることができる細胞伸縮装置FX-3000TM-Flexercell Strain Unitを使用した。培養脊髄細胞は妊娠SDラットの胎生15日目の胎仔より採取し、3目間培養後機械的ストレスを加えた。機械的ストレスは1秒間伸展/弛緩(最大12%牽引)を継続的に加えた。遺伝子解析はRNA抽出後、GeneChip Rat Genome230 2.0により、クラスタリング解析、Gene ontology(GO)頻度解析、Pathway解析(KEGG解析)を行った後、特定の目的遺伝子に対しはPTPCRでの発現量を解析した。フィルタリングにより、23506のプローブセットを抽出、発現率2以上、発現差200以上をみたすものを、ストレスにより変動ありとし、3421のプローブセットを更に抽出した。クラスタリング解析では遺伝子発現パターンにより6つのグループに分割された。発現時間により緩徐にsignal値が上昇するものグループにおいてGO解析では"apoptosis"に属する44遺伝子が、"response to stimulus"に属する17遺伝子が抽出された。Pathway解析ではMAPK signahngの有意な変動が確認され、PT-PCRでも、PDGFR、G12、CACN、trkA/B、FGFR、Raf1、MKP、HGK、JIP3、HSP72、GADD45、GADD153のmRNAの増加を確認し得た。脊髄ヘメカニカルストレスは、膜損傷、軸索損傷、ニューロン伝達障害、異なった転写因子の発現、グリアの神経栄養因子関連産生を生じさせると考えられるが、ニューロン自身もまた遺伝子パターンを変化させ、その生存維持に応答していると推察された。
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