研究課題
基盤研究(B)
メカニカルストレスに対する DNA マイクロアレイを用いた遺伝子発現解析を行った。細胞の機械的ストレスには、培養細胞に周期的牽引負荷を与えることができる細胞伸縮装置 FX-3000TM-Flexercell Strain Unit (Flexercell International)を使用した。培養脊髄細胞は妊娠 Sprague-Dawley (SD)ラットの胎生 15 日目の胎仔より採取した。クラスタリング解析では遺伝子発現パターンにより 6 つのグループに分割された。発現時間により緩徐に signal 値が上昇するグループ(cluster1,3)において GO 解析では"apoptosis"に属する44 遺伝子が、"response to stimulus"に属する 17 遺伝子が抽出された。Pathway 解析ではMAPK signaling の有意な変動が確認され、 PT-PCR でも、 PDGFR、 G12、 CACN、 trkA/B、 FGFR、 Raf1、MKP、HGK、JIP3、HSP72、GAD D45、GAD D153 の mRNA の増加を確認し得た。脊髄へのメカニカルストレスは、膜損傷、軸索損傷、ニューロン伝達障害、異なった転写因子の発現、グリアの神経栄養因子関連産生を生じさせると考えられるが、ニューロン自身もまた遺伝子パターンを変化させ、その生存維持に応答していると推察された。
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