研究課題/領域番号 |
22390288
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
平田 仁 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (80173243)
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研究分担者 |
建部 将広 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (60420379)
篠原 孝明 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00378209)
山本 美知郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (90528829)
大日方 五郎 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (50111315)
鳥橋 茂子 名古屋大学, 医学部, 教授 (90112961)
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キーワード | ES細胞 / FES / 機能再建 / 脊髄損傷 |
研究概要 |
1.ラット胎児運動神経細胞を用いたin vivo実験 ラット坐骨神経切断モデルにおいて、平田はラット胎児運動神経細胞を切断神経遠位断端内に細胞移植し、運動神経細胞の生着率への影響及び麻痺筋への再支配への影響を確認した。また、大日方とともに開発した長期間安定的に刺激可能な電極を用いて、移植運動神経細胞への電気刺激により麻痺筋の収縮を体外から自由に制御できることを確認した。 2.ラット歩行解析 大日方はmotion capture systemを用い、坐骨神経切断モデルラットのビデオ歩行分析をおこない、歩行パターン正常化に必要な刺激強度や刺激パターンを明らかにした。運動細胞移植と機能的電気刺激を組み合わせ、ラット下肢麻痺筋の運動機能が改善したことを確認した。今後大日方が開発する予定のmicroelectroarrayに必要なデータを収集している。 3.ES細胞由来運動神経細胞を用いたin vivo実験 鳥橋はGFP遺伝子導入ES細胞からレチノイン酸とShhを用いて運動神経細胞へと分化をさせる技術を応用し、magnet sortingとlasermicrodissectionを用いて、純度の高いES細胞由来運動神経細胞を得た。ラット坐骨神経切断モデルの末梢神経内へES細胞由来運動神経細胞を移植した。ES由来運動神経細胞の生着と軸索伸長、また、奇形腫形成のないことを確認した。現在、motion capture systemと歩行解析装置CatWalkを用いた機能評価をおこなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラット胎児脊髄運動神経細胞を用いたin vivo実験では、motion capture systemを用いた脱神経筋の機能再建を確認できた。ES細胞から運動神経細胞への分化誘導も確立できた。
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今後の研究の推進方策 |
ES細胞由来運動神経細胞を組み込んだneurochipを作成し、ラット坐骨神経切断モデルに移植し、生着を確認する。neurochip上で生着が困難であるときは、Waller変性後の末梢神経内に直接ES細胞由来運動神経細胞を移植し、電極を留置することで麻痺筋の機能再建を試みる。
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