マウスtenomodulin遺伝子のpromoter近傍とintron 2に同定されたenhancer領域で、腱・靭帯特異的な転写制御を担う30-40bpのenhancer elementを、2週齢の雄ラットの四肢の腱から分離した腱細胞を用いてDual Luciferase Assayによって検索した。候補となるenhancer elementは、4-10 tandem repeatsをminimal promoterを有するpGL4.23[luc2/minP]に組み込み、luciferase活性を検討することによって絞り込んだ。同定したenhancer elementの塩基配列から候補となる転写因子の予測がつく場合は、enhancer elementへの結合特性をElectrophoretic Mobility Shift Assayによって解析した。promoter近傍で同定した40bpのenhancer element (UTLE)に対しては、酵母One-hybrid法によって結合する転写因子を検索している。まず、bait配列となるUTLEの3ないし4 tandem repeatsをpAbAiレポーターベクターにクローニングし、これを酵母Y1HGold株に組み込みレポーターとなる酵母株を作製した。スクリーニングに用いるcDNAプールは、胎生14.5日のマウス胚の四肢から抽出したRNAを鋳型にしてSMART法を用いて構築した。次に、preyベクターであるpGADT7-RecベクターとcDNAプールをbait配列が組み込まれたY1HGold株にコトランスフォームし、Aureobasidin Aに対する耐性を指標にしてスクリーニングを行った。得られたクローンは、現在、塩基配列を解析中である。
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