研究課題
1)関節疾患データバンクへの症例集積と解析本邦の膝関節軟骨損傷・変形性関節症患者の軟骨形態的・組成的障害病態の解明のため、膝関節障害例のMRI(高解像度3D SPGR画像・T2マッピング画像)データの集積を昨年にひきつづきおこなった。本年度40例(通算143例)の撮影をおこなった。本研究で開発された関節疾患統合的定量解析プラットフォームにより、各症例の3次元関節軟骨の厚み・変性・重症度のパターン解析、半月板や靭帯損傷などの影響因子解析および、手術時関節鏡所見との対比によるMRI精度検証をおこない、解析データを膝関節障害データーベースに蓄積した。関連学会・研究会および論文誌などに発表をおこない、本年度の活動により関節疾患定量解析プラットフォームの普及と関節疾患診断技術の標準化、本邦患者の膝関節障害データーベース拡充による関節障害病態の解明の進捗が図られた。2)統合的解析プラットフォームの普及(Public distribution)ホームページ(http://baummri.sakura.ne.jp/Baum/index.htmlおよびhttp://www.novel-image.org/research.html)通じ、統合的定量解析プラットフォームBaum 2D/3Dの無償ダウンロード・ライセンス付与をおこなっている。平成23年度のダウンロード数は90件と増加傾向で、我々の大学以外にもBaum 2Dを使用した学術報告が他大学から認められている(大島誠吾ら.中部日本整形外科災害外科学会雑誌.2011,54:691-692)。また、ホームベージを通じBaum 2D/3Dの使用法、修正点などの問い合わせにも適宜対応している。本活動を通じて、想定する解析プラットフォームの認知と普及、さらには関節障害解析法の標準化の良好な進捗が得られていると考えられた。3)統合的解析プラットフォームの拡充既存の解析プログラムに加え、より生理的環境下での関節病態評価にむけ、3テスラMRIに適合した膝関節の屈伸運動をsemi-activeに制御する下肢運動装置を開発し、自動屈伸運動に伴う膝関節軟骨・半月板の形態的・質的解析ができるソフトウエアとの連動を調整している。ボランティアによる膝関節駆動装置使用下での動態撮影により、屈曲角度に応じた連続的な大腿骨/脛骨間の相対移動および半月板移動の解析を進めた。
すべて 2010 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
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http://www.novel-image.org/index.html