研究課題/領域番号 |
22390290
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西井 孝 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70304061)
|
研究分担者 |
村瀬 研也 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50157773)
田中 壽 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (40294087)
中田 研 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00283747)
菅野 伸彦 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70273620)
黒田 輝 東海大学, 情報理工学部, 教授 (70205243)
|
キーワード | 関節病学 / 変形性関節症 / MRI |
研究概要 |
1)関節疾患データバンクへの症例集積と解析 本邦の膝関節軟骨損傷・変形性関節症患者の軟骨形態的・組成的障害病態の解明のため、膝関節障害例のMRI(高解像度3D SPGR画像・T2マッピング画像)データの集積を昨年にひきつづきおこなった。本年度40例(通算143例)の撮影をおこなった。本研究で開発された関節疾患統合的定量解析プラットフォームにより、各症例の3次元関節軟骨の厚み・変性・重症度のパターン解析、半月板や靭帯損傷などの影響因子解析および、手術時関節鏡所見との対比によるMRI精度検証をおこない、解析データを膝関節障害データーベースに蓄積した。関連学会・研究会および論文誌などに発表をおこない、本年度の活動により関節疾患定量解析プラットフォームの普及と関節疾患診断技術の標準化、本邦患者の膝関節障害データーベース拡充による関節障害病態の解明の進捗が図られた。 2)統合的解析プラットフォームの普及(Public distribution) ホームページ(http://baummri.sakura.ne.jp/Baum/index.htmlおよびhttp://www.novel-image.org/research.html)通じ、統合的定量解析プラットフォームBaum 2D/3Dの無償ダウンロード・ライセンス付与をおこなっている。平成23年度のダウンロード数は90件と増加傾向で、我々の大学以外にもBaum 2Dを使用した学術報告が他大学から認められている(大島 誠吾ら. 中部日本整形外科災害外科学会雑誌. 2011, 54:691-692)。 また、ホームページを通じBaum 2D/3Dの使用法、修正点などの問い合わせにも適宜対応している。本活動を通じて、想定する解析プラットフォームの認知と普及、さらには関節障害解析法の標準化の良好な進捗が得られていると考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関節疾患の再現性および鋭敏性にすぐれた2次元・3次元定量的画像評価技術を開発し、医師/評価者の技量・主観的判断に依存しない標準化診断技術として広く普及させることを目的とする本研究では、統合的解析プラットフォームの開発、関節疾患データバンクへの症例集積および統合的解析プラットフォームの普及の各プロジェクトはおおむね順調に進行している。新しく開発中のMRI下膝関節駆動装置での動態撮影システムは、複動エアシリンダー(空気の供給と排気による複動型システム)による自動操作方法の採用が最適と判断されたため、開発をさらに継続中である。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度に引き続き、関節疾患データバンクへの症例集積と解析をおこない、関節障害病態パターンの解明をすすめていく。学術報告およびホームページ公開により、無償ダウンロード・ライセンス付与を基本とした統合的解析プラットフォームの普及活動を進め、医療施設や担当医師に依存しない標準化された診断と治療効果判定のシステムの普及に努める。MRI下膝関節駆動装置での動態撮影システムの開発を進め、その精度と安全性を検証後、統合的解析プラットフォームの組み込みと公開をすすめていく予定である。
|