研究課題/領域番号 |
22390291
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中村 憲正 大阪大学, 臨床医工学融合研究教育センター, 招聘教授 (50273719)
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研究分担者 |
名井 陽 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (10263261)
吉川 秀樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60191558)
松崎 典弥 大阪大学, 工学研究科, 助教 (00419467)
寺村 岳士 近畿大学, 医学部附属病院, 助教 (40460901)
福田 寛二 近畿大学, 医学部, 教授 (50201744)
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キーワード | ES cell / iPS cell / Stem cell / scaffold / 軟骨分化 / 骨分化 |
研究概要 |
平成22年度はウサギ胚性幹細胞(rabbit ESC)より分化させた間葉系幹細胞(MSC)を用いて単層培養での増殖の確認、軟骨分化誘導の至適条件を確立することより開始した。継代培養を繰り返すことにより18日間で約20倍の細胞数まで増加させ、この細胞(rabbit ESC-MSC)を用いて軟骨分化実験を行った。21日間の軟骨分化誘導においてはアスコルビン酸-2リン酸:0.2mM、1%ITS、BMP2:200ng/mlを添加することで細胞ペレットは増大し、サフラニン0染色、アルシアンブルー染色で軟骨基質の有意な発現上昇を認めた。またこの分化誘導された組織ではグリコサミノグリカンが上昇していることも定量的に確認した。これらの結果からrabbit ESC-MSCは平面培養環境において非常に良好な増殖を示し、上記条件のもと効率良く軟骨分化誘導が可能であり、軟骨再生の細胞治療に重要な性質を有することが判明した。さらにアスコルビン酸-2リン酸:0.2mMを添加下で平面培養を継続すると、滑膜由来間葉系幹細胞と同様にスキャフォールドブリー三次元人工組織(Tissue Engineered Construct, TEC)が作成可能であることが判明した。一方で対照群としてfibronectin+ゼラチン薄層膜を用いた細胞積層技術(薄膜積層法)による三次元組織化も検討し、rabbit ESC-MSCにおいても段階的に5層まで積層化が可能であることを確認した。以上の結果よりrabbit ESC-MSCを用いた平面培養における軟骨分化誘導条件が確立され、三次元培養環境での歓骨分化誘導やスキャフォールドフリーの軟骨再生の細胞治療が可能であると考えられた。平成23年度以降にこれらの実験を引き続き行う予定である。
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