研究課題/領域番号 |
22390294
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
牛田 享宏 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60304680)
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研究分担者 |
大迫 洋治 高知大学, 医歯学系, 助教 (40335922)
西上 智彦 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (60515691)
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キーワード | 関節拘縮 / 神経ペプチド / 痛みモデル / CRP |
研究概要 |
四肢の長期ギプス固定により作成した関節拘縮モデル動物は、複合性局所疼痛症候群(CRPS)様の病的疼痛行動を示す。CRPS発症の基盤に神経回路の再構築による脳内ネットワークの形態学的異常が示唆されていることから、22年度は本モデル動物に脳内においても同様な変化が生じているのか形態学的解析を行った。神経細胞活性マーカーにはcFosを用い、抗体による免疫組織化学的染色を行い、モデル動物の脳内活性部位のブレインマッピングを行った。本モデル動物の病的疼痛行動は急性期(ギプスリリース24時間後)と慢性期(ギプスリリース5週間後)の2相に分類されるが、急性期と慢性期とも、視床、分界条、扁桃体、前帯状回、島、中脳中心灰白質においてcFos陽性細胞が多数検出され、固定側同側と対側における発現差はみられなかった。cFos陽性細胞検出部位に違いはみられなかったものの、扁桃体、島、分界条、中脳中心灰白質において慢性期の方が急性期より発現が減少していた。これらの結果から、痛みの情動・認知的側面を反映する脳領域において、急性期と慢性期で活性度が異なることが示唆された。さらに、cFos発現が強く認められた脳領域の切片を作製し、gene gunを用いてDiOやDiIといった脂溶性色素を神経細胞に打ち込み神経細胞の形態学的解析を試みた。この方法により多数のニューロンの全体像(細胞体、樹上突起、スパイン)を染色することができたが、染色細胞数が少なく、多数の脳領域において網羅的に解析するには不十分であった。次年度において、より高密度で染色細胞が得られるように、打ち込むビーズの濃度やgene gunと脳切片との距離を工夫して解析を続行する。
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