研究課題/領域番号 |
22390294
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
牛田 享宏 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60304680)
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研究分担者 |
西上 智彦 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (60515691)
大迫 洋治 愛知医科大学, 医学部, 講師 (40335922)
大道 裕介 愛知医科大学, 医学部, 助教 (50506673)
大道 美香 愛知医科大学, 医学部, 助教 (30581079)
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キーワード | ギプス固定 / 関節拘縮 / CRPS / 慢性痛モデル |
研究概要 |
後肢を2週間のギプス固定により不動化すると、ギプスリリース2時間後から1週間後まで不動部位に炎症反応が出現し、ギプスリリース2時間後から2週間後まで自発痛様行動が観察される。さらには、機械的痛覚過敏が両側の腓腹筋、足底部や尾部にまで拡大してみられ、ギプスリリース5-10週間後まで持続する。ギプスリリース24時間後における足底部の痛覚過敏は、不動側におけるリドカインでの坐骨神経ブロックにより不動側、対側ともに消失した。このことから、ギプスリリース後に足底部に発症する両側性の痛覚過敏に、不動側からの末梢入力が関与していることが示唆された。また、ギプスリリース24時間後にフリーラジカルスカベンジャーを腹腔内投与すると、足底部の痛覚過敏が両側ともに有意に抑制された。このことから、後肢不動モデル動物の病的疼痛行動の発現メカニズムに、不動部位における虚血/再灌流障害とそれに伴い産生されるフリーラジカルが関与していると考えられる。 23年度は、ギプス不動モデルにおける疼痛障害の発症メカニズムとして末梢の関与を明らかにした。CRPSなどの疼痛障害発症には、神経回路の再構築による脳内異常ネットワークの関与も示唆されている。したがって、24年度は、ギプス不動モデルの脳内異常ネットワークの検出を試みる。神経細胞活性マーカーとして抗cFos抗体を用い、免疫組織化学的染色による脳内活性部位のブレインマッピングを行う。ギプス不動モデルの病的疼痛行動を急性期と慢性期の2相に分類し、急性期と慢性期でブレインマップを比較検討する。cFos発現が強く認められた脳領域においては、神経細胞レベルでの形態学的解析も試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初前肢で開発していたモデルを、実験のプロトコルの関係で後肢に変更したため
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今後の研究の推進方策 |
研究の進展に伴い、不動化による障害が脳に至る以前に脊髄や末梢レベルで大きな修飾を受けていることが明確になってきている。その為、末梢~脊髄の神経ネットワークについての研究を並行して更に推進していく必要があるものと考えている。
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