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2010 年度 実績報告書

荷重の増減による間葉系幹細胞から骨・血管・脂肪への分化調節機構の解明とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 22390295
研究機関産業医科大学

研究代表者

酒井 昭典  産業医科大学, 医学部, 准教授 (90248576)

キーワード荷重 / 間葉系幹細胞 / 骨芽細胞 / 脂肪細胞 / 血管内皮細胞 / 骨形成 / wnt / PECAM-1
研究概要

荷重の増減による間葉系幹細胞の分化調節機構を解明し、その制御法を開発することを目的に研究を行っている。平成22年度は、マウス脛骨骨髄における間葉系幹細胞から骨芽細胞と脂肪細胞と血管内皮細胞への分化に及ぼす荷重の影響について組織学的所見と分化に関連する遺伝子発現から明らかにした。具体的には、荷重の増加モデルとして、最高部に給水瓶を設置した高さ1メートルの金網製ケージ内で飼育したマウスを用いた。マウスは水を飲むために自発的にケージの昇降を繰り返す。脛骨を採取し、HE染色およびTRACP染色を行った。その結果、荷重の増加により2週後に破骨細胞面(骨吸収)が低下し、4週後に骨形成率が増加することが明らかとなった。2週後に海綿骨量と骨梁数が増加し、脂肪組織量と脂肪細胞数が減少した。運動後7日の海綿骨では皮質骨内面での骨芽細胞からオステオカルシンmRNAの発現が増加し、運動後7日の皮質骨ではwnt-1、frizzled4、β-catenin mRNAの発現が増加した。骨髄細胞において、運動後4日に脂肪細胞早期分化遺伝子であるC/EBPβとC/EBPδ mRNAの発現が低下し、運動後7日に脂肪細胞特異的遺伝子であるaP2とPEPCK mRNAの発現が低下した。骨髄細胞において、血管内皮細胞関連遺伝子であるCD31(PECAM-1)とその受容体であるCD38は増加した。荷重負荷モデルマウスの研究結果から、骨・脂肪・血管それぞれの分化マーカーについて発現の時期と局在を明らかにした。今後は、これらの相互作用と共通する制御機構を明らかにしていく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Unipedal standing exercise and hip bone mineral density in postmenopausal women : arandomized controlled trial.2010

    • 著者名/発表者名
      Sakai A, et al.
    • 雑誌名

      J Bone Miner Metab

      巻: 28 ページ: 42-48

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Shorter unipedal standing time and lower bone mineral density in women with distal radius fractures.2010

    • 著者名/発表者名
      Sakai A, et al
    • 雑誌名

      Osteoporos Int

      巻: 21 ページ: 733-739

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Deficiency of vitamin A delays bone healing process in association with reduced BMP2 expression after drill-hole injury in mice.2010

    • 著者名/発表者名
      Tanaka K, Sakai A, et al.
    • 雑誌名

      Bone

      巻: 47 ページ: 1006-1012

    • 査読あり
  • [学会発表] 非荷重環境下でのTie-2受容体の発現と局在の変化2010

    • 著者名/発表者名
      森寺邦晃、酒井昭典, ほか
    • 学会等名
      第28回日本骨代謝学会学術集会
    • 発表場所
      東京(京王プラザホテル)
    • 年月日
      2010-07-23

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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