研究概要 |
新しく作成したIPTRK6(CGDFGMSRD / CYGRKKRRGRRR 分子間SS架橋体)とIPTRK7(CTMLPIR / CYGRKKRRGRRR 分子間SS架橋体)を用いてin vitroにおけるTrkA活性に対する効果を検討した。結果はIPTRK6、IPTRK7ともに100μMでもTrkA活性を抑制しなかった。 またこれまで侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、がん性疼痛のいずれに対してもin vitroおよびin vivo実験で抑制作用を示したIPTRK3のTrkA以外のプロテインキナーゼにおける酵素活性抑制作用を明らかにするため、プロファイリングアッセイを行った。結果は酵素活性部位の構造が類似しているTrkB, TrkCの酵素活性も同様に抑制することが明らかとなった。また初期の実験段階では抑制作用はないと考えていたインスリン受容体チロシンキナーゼ活性も、TrkAに対する抑制作用と同程度の抑制効果を示すことが明らかになった。さらにErKやPKCδ、PKCεなどTrkAの細胞内情報伝達系の下流に存在するプロテインキナーゼ活性も強く抑制することが明らかとなり、IPTRK3はプロテインキナーゼに対する特異的作用により鎮痛効果を来すことが示唆された。
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