研究課題/領域番号 |
22390299
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
垣花 学 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20274897)
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研究分担者 |
大城 匡勝 琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (00315483)
渕上 竜也 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (10381211)
照屋 孝二 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50437985)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 硫化水素 / 遅発性対麻痺 / 神経保護 / カスパーゼ |
研究概要 |
硫化水素吸入による脊髄虚血後遅発性対麻痺モデルに対する脊髄神経保護効果、ならびにそのメカニズムについて検討する目的で平成24年度研究を行った。マウス遅発性脊髄障害モデルは、大動脈の5分間遮断により作成し、その24時間後に硫化水素ガス80ppmを5時間吸入させた。治療効果の評価は、神経学的機能、病理組織学的評価により行った。この吸入療法により、約70%のマウスが遅発性脊髄障害を発症することなく経過した。病理組織学的に対照群と硫化水素吸入群で比較したところ、対照群で虚血後30時間目にアポトーシスの指標である活性型カスパーゼ3が発現したが、硫化水素吸入群ではその発現が認められなかった。さらに、培養細胞を用いカスパーゼ3の活性化に及ぼす硫化水素の影響を検討した結果、カスパーゼ3のs-sulfhydration化によりその活性が抑えられた。また、一酸化窒素合成酵素の活性化によりNO合成を介してカスパーゼのs-ニトロ化によるカスパーゼ活性抑制も認められた。また、硫化水素の代謝酵素であるローダネースにより産生されるチオ硫酸による脊髄神経保護効果も考慮され、遅発性対麻痺モデルにチオ硫酸を投与したが、遅発性脊髄神経保護効果は認められなかった。これらのことから、硫化水素による脊髄神経保護効果は、硫化水素分子それ自体あるいは一酸化窒素を介したアポトーシス関連因子であるカスパーゼ3の活性抑制が関与し、硫化水素の代謝産物であるチオ硫酸による効果は少ないと思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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