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2013 年度 実績報告書

前立腺特異抗原を凌駕する糖鎖標的前立腺癌診断ツールの開発と臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 22390301
研究機関弘前大学

研究代表者

大山 力  弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80282135)

研究分担者 羽渕 友則  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00293861)
坪井 滋  弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (20526727)
盛 和行  弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40266903)
古家 琢也  弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60321965)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2015-03-31
キーワード前立腺癌 / 前立腺特異抗原 / バイオマーカー / 診断
研究概要

Sia-2,3Galを特異的に認識するモノクローナル抗体(HYB4)とfree-PSAを用いた新規アッセイ法を開発し、その臨床応用の可能性について検討した。
【方法】
Total PSA値10ng/mL以下のBPH患者血清176例およびcT1-T2のPCa患者血清138例計314例を検体とした。血清20μLを抗fPSA抗体固定化磁性ビーズと混合し、血清中のfPSAをキャプチャー後、シアル酸α2,3ガラクトースを認識するHYB4抗体でサンドウィッチし、がん関連free PSA (S2,3PSA)量をルミネックスシステムにより測定した。
【結果】
まず、pilot studyによってMFI cut-off value を決定した。その結果、PCaの診断においてMFI: 1130がspecificity 72.0% 、sensitivity 95%であり、同値を以下のvalidation studyにおけるMFI cut-off valueとした 。314例の血清中のS2,3PSAを測定したvalidation studyの結果、PCa群のMFIは、BPH群のMFIよりも有意に高く、PCa患者において血清中のS2,3PSA量が有意に増加した。PCaの診断効率に関するROC曲線からS2,3PSAのAUCは0.84であり従来PSAスクリーニング法(AUC=0.57)よりも検査効率が良好であることが示された。
【考察】PSA糖鎖のがん性変異を標的とした新規測定法は、前立腺がんの診断精度を向上させる可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前立腺特異抗原のN-結合型糖鎖の癌性変異を利用した新規アッセイ法を考案した。300検体程の検討では、従来のPSAやフリーPSAによる前立腺癌診断法の診断効率を遥かに凌駕するAUCが得られた。
採血方法、検体保存法、国際比較など検討すべき点も多いが、当初の目標は十分に達成できた。

今後の研究の推進方策

①検量線作製のためのS2,3PSA標準品の大量調製法の確立:CHO細胞にPSA遺伝子を導入し、癌関連PSA(S2,3PSA)の安定発現株を作製する。作製したS2,3PSA安定発現株を大量培養し、その培養上清よりのS2,3PSAの精製を行い、標準品を得る。上記実施計画①に従い、pcDNA3.1ベクターにPSA遺伝子とFLAGタグ配列を組み込んだpcDNA3.1PSA-FLAGベクターをCHO細胞にトランスフェクションし、PSA-FLAG遺伝子をCHO細胞に導入した。その結果、癌関連PSA(S2,3PSA)を安定発現するCHO細胞を6株樹立した。今後はこの標準品の安定・大量生産をめざした研究を推進する。
②測定系の高感度、高速化のためのDNA標識抗体、蛍光標識抗体の開発:液相免疫反応-等速電気泳動法(LBA-EATA法)に適応する245残基の2本差DNA標識PSA抗体およびHilyte Fluor647 dye蛍光標識HYB4抗体を調製する。糖鎖識別認識の役割を担うHYB4が抗体サブクラスIgG-3である事で、蛍光標識等のラベル化に際しては技術的に困難を伴う事が予想されるため、優先課題としてその基礎検討に取組む。
③外部臨床検体を使用したvalidation study:当施設以外で採取された血清を使用して、大規模なvalidation studyを予定している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Measurement of Aberrant Glycosylation of Prostate Specific Antigen can Improve Specificity in Early Detection of Prostate Cancer2014

    • 著者名/発表者名
      Yoneyama T, Ohyama C, et al
    • 雑誌名

      BBRC

      巻: 未定 ページ: 未定

    • 査読あり
  • [学会発表] PSA糖鎖の癌性変異を利用した新規アッセイ法2013

    • 著者名/発表者名
      大山 力
    • 学会等名
      第21回日本がん検診・診断学会総会
    • 発表場所
      前橋
    • 年月日
      20130719-20130719
    • 招待講演
  • [学会発表] PSA糖鎖の癌性変異を利用した前立腺癌も新規スクーリング法2013

    • 著者名/発表者名
      米山 徹,飛澤悠葵,山本勇人,盛 和行,岡本亜希子,畠山真吾,米山高弘,橋本安弘,古家琢也,大山 力
    • 学会等名
      第101回日本泌尿器科学会総会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20130425-20130428

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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