研究概要 |
平成24年度は、平成22-23年度にCTLスクリーニングアッセイ(IFN-γ releasing assay)にて絞り込んだクラスIペプチドワクチン候補ペプチドを近畿大学医学部と共同研究施設である島根大学医学部免疫学教室で同じアッセイ系を用いて51Cr release cytotoxicity assay (CTL assay)を行った。また、ペプチドがワクチンとして最も有用であるかについては、各分子の抗原特異性とHLA拘束性が重要であり、多くの日本人由来の腎細胞癌培養細胞株が必要と思われた。そのため本邦で確立された腎癌細胞株6種類を、各大学の協力のもと提供していただき(京都大:KUORC-1、大阪大:OUR-10、大分大:KPK-13,KMRC-3,-20, TUHR-10TKB、香川大:KK-RCC4, 6)、各細胞株の抗原発現などの特徴についてスクリーニングしたうえで、CTL検査の標的細胞として使用した。CTL誘導能に関して現在のところ、CA9、VEGFR、HIF-1の3種類についてはHLA-A2402拘束性ペプチドの絞り込みを行った。PDL、EPORについては、抗原に対する反応性が高く再度アッセイ系の見直しを行ったところ、EPORの候補ペプチドを1種類ERPRー24TM2を決定した。ERPR-24TM2(シークエンスは特許申請のため公表できない)はHLA-A24/2陰性のKK-RCC4(EPOR強陽性)とHLA-A24陽性・A2陰性のKPK13(EPOR強陽性)に対するCTL殺細胞効果を6人のHLA-A24陽性腎細胞癌担癌患者から得られたPBMCに対し強い殺細胞効果示した。
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