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2011 年度 実績報告書

子宮内膜癌に対する分子標的療法ー新たに同定したサイクリンA阻害剤の基礎的検討

研究課題

研究課題/領域番号 22390310
研究機関信州大学

研究代表者

塩沢 丹里  信州大学, 医学部, 教授 (20235493)

研究分担者 堀内 晶子  信州大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (80334895)
鈴木 昭久  信州大学, 医学部, 助教 (10547095)
高津 亜希子  信州大学, 医学部附属病院, 助教 (90447730)
キーワード子宮内膜癌 / サイクリン / 抗癌剤感受性 / 分子標的 / MAPK
研究概要

(1)サイクリンA発現抑制能を有する化合物の女性性器癌に対するin vitro, in vivoの検討
昨年度同定した4種に加え、新たに5種(化合物A-I合計9種)化合物の女性性器癌(子宮内膜癌細胞株6種、卵巣癌細胞株4種、子宮頸癌細胞株1種、乳癌細胞株2種)に対する細胞増殖抑制効果をWST1アッセイにて検討を行った。その結果、化合物Aが最も細胞増殖抑制効果が高く、かつ複数の癌腫に対して抗腫瘍作用を持つことが判明したため、in vivoにおける抗腫瘍効果を検討した。Nude mouse皮下に内膜癌細胞株Hec1Bを移植し、肉眼的に腫瘍を確認した後、化合物Aの投与を行った。予備実験として投与量、投与経路(腹注、静注)、投与法(基質選定、投与回数)の検討を行った。コントロール群との比較において化合物A20mg/kg静注/weekの投与で有意に皮下腫瘍の増殖が抑制(52%)された。また、同投与経路、投与量においてmouseの体重変化等、毒性を示唆する所見は得られなかった。
(2)化合物Aによる抗腫瘍効果の既知薬理作用非依存性
化合物A類似化合物はXイオンチャンネル阻害作用が報告されている。そこで、抗腫瘍効果がXイオンチャンネル阻害に非依存的であることを示すため、化合物Aおよび他のXイオンチャンネル阻害剤(2種)の添加を行った。その結果、Xイオンチャンネルと無関係に化合物Aは抗腫瘍作用を示すことが判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

化合物Aの子宮内膜癌以外の癌腫での抗腫瘍効果が確認できた。また、in vivo投与において化合物Aは明らかな有害作用なしで抗腫瘍効果を示すことが確認された。

今後の研究の推進方策

(1)化合物Aのin vivoにおける毒性の検討
In vitroにおいて正常内膜細胞への毒性は認めていないが、臨床応用を考慮しin vivo大量投与における毒性について更なる検討を加える必要がある。
(2)既存抗がん剤と化合物Aの併用効果の検討
単独投与で抗腫瘍効果は認めるが、in vitroにおいてシスプラチン併用で抗腫瘍効果が増強することを確認しているため、in vivo投与で同様の併用効果があるか検討を行う予定である。
(3)化合物Aの薬理作用および抗腫瘍効果の分子機序の検討
サイクリンA阻害能によるスクリーニングで得られた化合物であるが、用途特許を含めた産業財産権を得る目的で抗腫瘍効果の詳細についての検討を進展させる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 薬剤ライブラリーを用いたサイクリンAを標的とする新規抗腫瘍薬同定の試み2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木昭久
    • 学会等名
      第63回日本産科婦人科学会・総会・学術講演会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2011-08-29

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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