研究課題/領域番号 |
22390310
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
塩沢 丹里 信州大学, 医学部, 教授 (20235493)
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研究分担者 |
鈴木 昭久 信州大学, 医学部, 助教 (10547095)
堀内 晶子 信州大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (80334895)
高津 亜希子 信州大学, 医学部附属病院, 助教 (90447730)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | サイクリンA / 分子標的 / 子宮内膜癌 / 抗癌剤感受性 |
研究概要 |
サイクリンA発現抑制能を有する4種の低分子化合物(A~D)の内膜癌細胞に対するサイクリンA発現抑制効果および増殖抑制効果を各種の子宮内膜癌細胞株(Ishikawa、Hec1A、Hec1B、HHUA、KLE、RL95-2)を用いて検討した。化合物を各細胞に10-10Mから10-6Mの濃度で添加し、サイクリンA転写活性抑制能をルシフェラーゼアッセイで評価した結果、各薬剤とも転写抑制効果を示したが、特に化合物Aは10-7Mで子宮内膜癌細胞Hec1BのサイクリンA転写活佐を95%抑制した。また細胞増殖抑制能をWST-1アッセイで評価した結果、化合物AはHec1B細胞の増殖を85%抑制した。また正常子宮内膜間質細胞に対する毒性は極めて軽微であった。次に、化合物A~Dの子宮内膜癌の抗癌剤に対する増感作用の可能性を検討するために、前述の各種の子宮内膜癌細胞に対し、各化合物と各種抗癌剤(シスプラチン、アドリアマイシン、タキソール)を種々の濃度で添加し、培養後の生細胞数をWST-1アッセイで評価した。その結果、各化合物の添加は子宮内膜癌細胞の各種抗癌剤に対する感受性を高めたが、特に化合物AはIshikawa細胞におけるシスプラチンとアドリアマイシンに対する感受性を各々35%、25%高めることが判明し、この化合物Aが、従来の抗癌剤との併用することによって、化合療法の効果を増強できる可能性を明らかにした。さらにこの化合物Aの抗腫瘍作用を、マウスを用いたin vivoの系で検討した結果、マウス皮下に接種した子宮内膜癌細胞および卵巣癌細胞の増殖を0.5mg/kg/週 の4週間の腹腔内投与で最大約67%抑制した。この結果はこの化合物Aが子宮内膜癌に対する有望なリード化合物であることを示すものであり、全く新しい分子標的薬の道を開くものとして非常に大きな可能性を有することを示している。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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