研究課題/領域番号 |
22390311
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
吉川 史隆 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40224985)
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研究分担者 |
那波 明宏 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90242859)
柴田 清住 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (90335026)
梶山 広明 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (00345886)
中面 哲也 国立がんセンター, 東病院臨床開発センター, 室長 (30343354)
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キーワード | 癌幹細胞 / 免疫療法 / Glypican-3 / CD133 |
研究概要 |
十分なインフォームドコンセントと同意を得た後に、卵巣がんの手術で得られた腫瘍組織において、腫瘍抗原として我々が着目している、Glypican-3(GPC3)およびHLA-classIの免疫組織染色を行い、発現の有無や細胞内分布を検討した。82例の卵巣がん組織での検討の結果、明細胞腺癌のみで陽性を示し、31例中16例(51.6%)であった。HLA-classIの染色結果は全82例中、72例、明細胞腺癌31例中28例(90%)で陽性であり、GPC3をターゲットとした、卵巣明細胞腺癌の免疫療法の妥当性を証明した。 さらに我々は卵巣がん幹細胞のマーカーとしてCD133に着目した。卵巣がん細胞株であるOVCAR3およびNOY1におけるCD133の発現を検討し、セルソーティングによりCD133陽性細胞と陰性細胞に分離を行い、ヌードマウスにおける腫瘍形成能を比較検討し、CD133陽性細胞において有意に腫瘍形成能の亢進を認め、CD133陽性細胞がこれらの細胞において癌幹細胞として妥当であることを証明した。また癌幹細胞の分離方法としてsphere形成細胞の分離を行い、sphere形成細胞の腫瘍形成能を確認した。 また、sphere形成細胞におけるGPC3の発現を確認し、GPC3は卵巣明細胞腺癌の免疫療法のみならず、癌幹細胞における免疫療法のターゲットにもなる可能性が示唆される結果を得た。さらに、セルソーティングによりCDI33陽性細胞,陰性細胞をそれぞれ分取し,マイクロアレイ解析を行い.CD133陽性細胞で発現増強している遺伝子群を同定し、新たな免疫療法のターゲットとなる抗原の探索を行っている。
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