研究課題
卵巣がん細胞株におけるCD133の発現を検討し、セルソーティングによりCD133陽性細胞と陰性細胞に分離を行い、ヌードマウスにおける腫瘍形成能を比較検討し、CD133陽性細胞において有意に腫瘍形成能の亢進を認め、CD133陽性細胞がこれらの細胞において癌幹細胞として妥当であることを証明した。さらに、セルソーティングによりCD133 陽性細胞,陰性細胞をそれぞれ分取し,マイクロアレイ解析を行い.CD133 陽性細胞で発現増強している遺伝子群を同定し、新たな免疫療法のターゲットとなる抗原の探索を行い、CXCR-4などがん幹細胞高発現因子の同定を行った。また、我々はCD133陽性および陰性細胞と腹膜中皮細胞との共培養の結果から、腹膜中皮細胞はCD133発現維持に関与するとともに、CD133陽性細胞においてのみ、コロニー形成能、腹膜浸潤能を亢進し、がん幹細胞ニッチとしての機能をもつことを証明した。さらに我々はCD133陽性細胞においてCXCR4の発現が亢進していることを確認し、CXCR4中和抗体投与したところ腹膜中皮細胞によって促進した、CD133陽性細胞のコロニー形成能、腹膜浸潤能は抑制され、ヌードマウスを用いた腹膜播種モデルにおいてもCD133陽性細胞の腹膜播種を抑制した。以上の結果からCXCR4は卵巣がん腹膜播種に対する新規治療のターゲットにも成り得ることを見出した。卵巣明細胞腺癌に対するペプチドワクチン療法の臨床試験はほぼ目標を達成しており、免疫解析にてもEx vivo IFNγELISPOTアッセイを用いた免疫学的モニタリングでは31症例中29症例(寛解群21例、化学療法併用群3例および進行群7例)において免疫学的有効性が確認できたことから我々の行っているペプチドワクチン療法の免疫学的有効性が確認された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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