研究課題/領域番号 |
22390325
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
外園 千恵 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (30216585)
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研究分担者 |
木下 茂 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (30116024)
田代 啓 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10263097)
上田 真由美 同志社大学, 生命医科学部, 講師 (60398386)
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キーワード | 重症薬疹 / ゲノム解析 / プロテオミクス / 自然免疫 / サイトカイン |
研究概要 |
本年度は、SJS/TENによる重篤な視力障害の回避を目的として、眼合併症を伴うSJS/TEN患者を対象に全ゲノム解析を行い、疾患と関連する遺伝子多型(一塩基多型、single nucleotide polymorphism : SNP)を選定した。100名のSJS/TEN患者からDNAを抽出し、アフィメトリクス社500KGenechipにて全ゲノムアプローチによる遺伝子多型解析(GWAS)を行った。GWASによって相関が認められた遺伝子領域について、イルミナ社iSelectカスタムチップにて、さらに詳細な遺伝子多型解析を行い、ダイレクトシークエンスにて確認を行った。検出された疾患関連遺伝子については、そのタンパク発現について、SJS患者ならびにコントロール結膜組織の免疫染色を行った。GWASにてrs17131450(Chr1), rs1325975(Chr6), rs11238074(Chr11)の3SNPsが検定に耐えうる質であり、かつFDRで有意な相関を示した。また、rs17131450は、EP3遺伝子領域に存在したが、rs1325975とrs11238074については、近傍に既知遺伝子を認めなかった。よって、EP3遺伝子を候補領域としiSelectカスタムチップとダイレクトシークエンスにて解析した結果、EP3遺伝子領域の6SNPsとの相関が確認された。さらに、EP3蛋白は、結膜弛緩症や翼状片患者の結膜上皮に発現していたが、慢性期SJS患者の結膜では消失していた。本研究より、SJS発症にはEP3遺伝子多型が関与しており、結膜上皮に発現しているEP3が眼表面炎症制御に関与している可能性が明らかとなった。
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