研究課題
我々は、眼合併症をともなうStevens-Johnson症候群(SJS)の遺伝子多型解析を行い、TLR3、EP3、IL4Rなど複数の遺伝子多型と強い相関を示すことを報告した。また、HLA解析も行いHLA-A0206と強い相関があることを報告した。当該年度は、これらの複数の遺伝子素因について遺伝子間相互作用解析を行い、SJS 発症についての病態解明を進めた。我々の調査では、重篤な眼合併症を伴うSJS患者の約80%において、薬剤投与の前にウイルス感染を疑わせる症状が認められ、発症には自然免疫応答の異常の関与があると推測される。そこで、SJS発症と強い相関を認めかつウイルス認識に関与するTLR3とHLA-A0206に着目し、その相互作用について調べた。その結果、HLA-A*0206 と TLR3 rs3775296 T/T (rs5743312 T/T)との間に相加効果以上の強い相互作用が確認された(p=6.5x10-6, OR=47.7)。さらに我々は、その他の疾患関連遺伝子間の相互作用を解析する目的で、バイオインフォマティックスによる解析を行った。その結果、TLR3遺伝子多型とEP3遺伝子多型の間にも強い相互作用が存在する事が明らかとなった。具体的には、TLR3 rs3775296 (TT)とEP3 rs4147114 (GC)は、それぞれ単独では相対危険度が、5と2であるにもかかわらず、TLR3 rs3775296 (TT)とEP3 rs4147114 (GC)の両方を持つ場合は、相対危険度が25に上昇する。このように、SJS疾患発症関連遺伝子多型単独と比較して、複数の疾患関連遺伝子多型を組み合わせることにより、疾患発症リスクの予測が著明に上昇することが明らかとなった。今後さらに複数の遺伝子多型間の相互作用を解析することにより、SJS発症の予測が可能となる可能性がある。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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