研究課題/領域番号 |
22390327
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研究機関 | 独立行政法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
東 範行 独立行政法人国立成育医療研究センター, 病院・眼科;研究所・細胞医療研究室, 医長;室長 (10159395)
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研究分担者 |
梅澤 明弘 国立成育医療研究センター, 生殖・細胞医療研究部, 部長 (70213486)
世古 裕子 国立成育医療研究センター, 生殖・細胞医療研究部, 共同研究員 (60301157)
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キーワード | 再生医学 / 遺伝学 / 遺伝子・細胞治療 / 角膜 / 網膜 |
研究概要 |
・遺伝子・細胞治療関連 1)Cre/loxPシステムと水晶体固有遺伝子のプロモータで組織特異的に遺伝子を発現させるシステムを開発した。 2)白内障手術家兎で、上記システムを用いて後発白内障(白内障手術後の水晶体上皮増殖)の治療に成功した。 ・再生医療関連 1)形態形成遺伝子の疾患への関わりと機能の研究 Pax6の新規遺伝子変異を、先天無虹彩で発見し、変異型と臨床像との関わりを明らかにした。 2)網膜変性症の遺伝子変異の検索 常染色体劣性遺伝の網膜色素変性症でEYSの、Leber先天黒内障でRP65の新規遺伝子変異を発見した。 2)ヒト小児患者由来の細胞を用いた角膜内皮の分化誘導系 小児ヒト材料を用い、従来は分裂しないと考えられていた角膜内皮細胞の不死化・株化・シート化に成功した。この細胞は、細胞間接着能、Na-K ATPase依存能動輸送による活動性水ポンプ作用があることが証明された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遺伝子・細胞治療では、動物実験であるが、新規方法に成功した。臨床応用にはまだ遠いが、マウスでなく、大型動物の家兎で行ったことは、やや臨床に近い。 遺伝子変異の検索では、新規変異を多数発見した。しかし、組織発生に関わる遺伝子の働きまでは解明されなかった。 従来は再生・分裂が不可能と思われていた角膜内皮の株化をヒトで行えたことは大きな成果である。
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今後の研究の推進方策 |
遺伝子治療では、大型動物による実験を繰り返して、効果と安全性を確認し、臨床応用を目指す 形態形成遺伝子の研究では、遺伝子変異による疾患の発生機転を明らかにするとともに、組織の形態形成のメカニズムを明らかにする。 再生医療では、臨床に用いることが可能な、角膜・網膜細胞を作成して、動物実験に進める。
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