研究課題
【背景】当科では顔面神経麻痺に対する表情筋運動の再建方法として神経端側縫合によるNetwork型神経再建を行っている。我々は逆行性トレーサーを用いた動物実験を行い,流入型神経端側縫合により舌下神経と顔面神経による顔面表情筋の二重支配を証明した。しかし,表情筋を運動させるに十分な神経信号が達しているのか,表情筋の変性が再支配後にどの程度生じているかは明らかではなく,神経信号入力の有効性を評価する事が不可欠と考えられた。【目的】顔面神経麻痺発症に伴う,表情筋の脱神経支配,更に神経端側縫合を介した神経軸索再生による,神経再支配を表情筋mRNAの発現解析をすることにより経時的に捉え,神経信号付加を証明することを目的とした。【方法】ラットを用い,顔面神経本幹に対する障害を5グループに分け,1)切断群,2)切断後縫合群,3)不全麻痺群,4)流入型切断群,5)流入型不全麻痺群により顔面神経麻痺(不全麻痺)を作成し,その後経時的に表情筋からRNAを抽出した。それらよりMyogenin(Myog) 発現を定量した。【結果・考察】今回我々が定量を行ったMyogは骨格筋特異的転写因子の一つであり,表情筋に対するdenervationやreinnervationにより発現が増減することで,運動神経信号の入力変化を反映すると考えられた。更に舌下神経を顔面神経本幹に端側縫合した流入型モデルにおけるMyog発現の変化は神経信号付加の存在を示唆するものと考えられた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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