研究概要 |
RIKENより使用に制限のないヒト由来線維芽細胞2種類の譲渡を受け、10%FBS入りDMEM培地で、10-15継代した後に、非接着培養により細胞凝集塊を形成させる。非接着性培養皿上での培地は、HamF-12,EGF(20ng/ml),bFGF(40ng/ml)の混合溶液を用いる。非接着培養皿としては、スミロンセルタイトX(住友ベークライト社)を用いて、3週間の培養を行い、細胞凝集塊を形成させる。酵素処理により回収したマウス新生仔表皮細胞とともに、免疫不全マウス背部皮膚全層欠損層へ混合移植を行い、毛包誘導が可能か否かを検討した。 これまでのマウスを用いた研究の知見では、1x10^7個の線維芽細胞の凝集塊を形成し3週間の培養を行った後に、1x10^7個の表皮角化細胞とともに混合移植を行い良好な結果を得ていた。本研究では、培養期間を1週から6週まで変動させ、細胞数を10^4~10^8まで変化させ、毛包誘導率が最も優れている条件を確認した。その結果、マウスに比べて毛包誘導効率は下がるものの、1x10^7個の線維芽細胞の凝集塊を形成し3週間の培養で、毛包誘導が確認できた。表皮角化細胞をヒト由来の細胞に変えて、ヒト表皮角化細胞-ヒト線維芽細胞の混合移植で、毛包誘導を確認した。表皮角化細胞は、クラボウから市販されている正常ヒト表皮角化細胞を用いたが、この際継代は1回のみ行ったものを用いた。しかし、ヒト表皮角化細胞を使用したものでは、効率的な毛包誘導は得られなかった。
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