研究課題
血漿エンドトキシン測定法として保険適用されている比濁時間分析法では、被験者から遠心分離によって得る血漿として我々は多血小板血漿(Platelet-Rich Plasma以下PRP)を用いてエンドトキシンを測定している。しかし、この方法の診断法としての感度、特異度は58.6%、97.0%と、感度が良いとは言い難い。敗血症において、血漿以外にも、白血球表面には白血球が認識して結合した細菌の菌体成分としてのエンドトキシンや、白血球細胞膜表面のCD14Recepter、Toll Like Recepter4などに結合した細菌から遊離したエンドトキシンが存在し、さらに細胞内に取り込まれているエンドトキシンも存在していると考えられる。その結果、白血球は活性化され、サイトカインなどの液性因子の活性化が起こる。我々は以前から白血球内及びに表面に存在するエンドトキシンに注目し、測定検体として白血球と血漿の両方同時測定することで、感度が上昇する可能性を報告してきた。この度、ヒドロキシエチルデンプン(以下HES)の赤血球除去剤としての特性を活かし、多白血球血漿(Leukocyte-Rich Plasma以下LRP)を作成し、新規のエンドトキシン測定用試料の作成法を考案し、検証した。さらに従来のPRPを用いる方法と比濁時間分析法を用いて比較検討した。その結果、敗血症患者でのLRPにおけるエンドトキシン値は、従来のPRPにおけるエンドトキシン値より有意に高く、また感度においても有意に高かった。今後の敗血症における診断率の向上に寄与すると考えられた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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