研究課題/領域番号 |
22390343
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
池田 通 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00211029)
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研究分担者 |
井奥 洪二 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (60212726)
石川 雄一 財団法人癌研究会, 癌研究所病理部, 部長 (80222975)
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キーワード | 骨代謝 / 破骨細胞 / セラミックス / 骨肉腫 / 口腔病理学 |
研究概要 |
【セラミックの作成】実験に使用するのに最適な直径12mmのセラミックディスクの金型を作成し、焼結体ハイドロキシアパタイト(HA)、水熱処理HA、焼結体β-TCP、水熱処理β-TCPの4種類のディスクを作成、XRD解析及び表面のSEM解析を行い、性状及び粒子形状に問題がないことを確認した。さらに、上記4種類のセラミック球状顆粒(直径0.5mm)を作成した。本研究成果により、世界的にもユニークな水熱処理法による独自のセラミックディスク及び顆粒を本研究課題用に安定して供給する体制が確立され、かつ、供給が開始された。 【セラミックへの蛋白吸着の解析】焼結体HA上の破骨細胞と焼結体β-TCP上の破骨細胞では遺伝子発現プロファイルが大きく異なることが予備実験結果からわかっていたが、組成や表面形状のみならず、吸着される血中蛋白質の影響も大きいと考え、まず、上記2種類の田セラミック顆粒への血清蛋白吸着実験を行った。その結果、焼結体HAと水熱処理HAでは血清蛋白の吸着が大きく異なり、前者はアルブミンを最も多量に吸着するのに対し、後者は免疫グロブリンを最も多量に吸着することがわかった。また、これら血清蛋白の吸着性は、セラミックに接している時間に影響を受けないこと、また、12時間から24時間に吸着量が平衡に達することを明らかにした。骨組織には種々の分化・増殖因子が骨基質蛋白として貯蔵されており、破骨細胞による吸収を受けると骨内に貯蔵されていた各種因子が可溶化して周囲の細胞に重要な機能を果たすと考えられている。本研究成果は、セラミックの骨代替材料の蛋白吸着性が生体反応に大きな影響を及ぼすことを示唆しており、きわめて重要な意義を持つものである。 【骨肉腫でのHB-EGFの発現解析】癌研究所病理部の骨肉腫30症例及び、陽性対照となる肺癌症例を選別した。さらに、HB-EGFとHGF受容体ファミリーの免疫組織化学的発現解析を開始した。
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