研究課題
水熱処理柱状粒子β-TCPディスク上で培養した破骨細胞ではISG15の発現が有意に上昇しており、このインターフェロンβで協力に誘導される分子が何らかの役割を有することが示唆された。25年度には、ISG15を培養液に添加した場合、1μg/ml以上の濃度で有意に破骨細胞形成を抑制することを証明した。この結果は、上記の移植実験結果がISG15発現によるものであることを強く示唆するとともに、インターフェロンβによる破骨細胞形成抑制作用の鍵となる物質がISG15であることを強く示唆するという非常に興味深いものであった。一方、水熱処理柱状粒子ハイドロキシアパタイト(HA)を動物の骨欠損部位に移植すると、多量の破骨細胞が長期間同部に維持され、それが柱状粒子HAの強い骨形成作用を説明しているのではないかという観点から研究を行い、すでに柱状粒子HAには非常に強いvitamin D binding protein (DBP)親和性があることを確かめた。DBPには糖鎖があるが、それを切断して活性化したmacrophage activating factor (MAF)には強い破骨細胞誘導能があることを証明するとともに、ヒト口腔扁平上皮癌の病理組織でISG15のみならず、糖鎖切断酵素が細胞膜に検出されることを示した。今年度は、11種類の口腔扁平上皮癌細胞株の中にはDBPの活性化に必要なβ-galactosidase及びneuraminidaseを共に発現しているものがあることをPCRにて確認した。これらの糖鎖分解酵素を強く発現している細胞は、in vitro破骨細胞培養系において極めて強い破骨細胞形成促進能を示した。今後のさらなる解析が、腫瘍による骨破壊のメカニズムを説き明かすのではないかと期待される。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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