研究概要 |
本研究は、骨格系細胞におけるそれらのエピジェネティックな変化を解析し、分化に伴いどのように変化するか、エピジェネティックな変化がどのような機能的役割を持つか解析することを目的としている。前年度までの研究でin vitroのヒストンメチル化酵素阻害による分化への影響が見られたことから、続いてin vivoの解析を行った。まずin vivoでの発現局在の解析を行うために、免疫組織学的解析、ウェスタンブロットによってタンパクの局在を、またreal time PCRによってmRNAの局在を調べた。骨格系分化のモデルとして長管骨のgrowth plateの軟骨分化における発現局在を詳細に解析した。ヒストンメチル化酵素にはG9a, GLP, SETDB1, PRDM2, SUV39H1とSUV39H2の5種類存在するが、すべてgrowth plateで発現が認められた。mRNA、タンパクともに、前肥大軟骨から肥大軟骨にかけて発現の増加が認められた。そのヒストンメチル化酵素群の発現の増加に伴いさらに、H3K9me1,3の局在も増加していた。すなわち分化が進行するにしたがってヒストンメチル化酵素ならびにその基質の局在が増加することが示唆された。さらに機能的解析をすすめるために、G9aのconditionalノックアウトマウスの作出を行った。具体的にはG9a floxedと mice Sox9-creの交配によって作出した。交配によって生まれたnull miceの大きさは野生型に比較し減少していた。顔面骨格の顕著な短縮が認められ、現在その詳細な解析を行っている。
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