歯周病と動脈硬化性心疾患、肥満・糖尿病および早期低体重児出産などの全身疾患との連関の分子機構を宿主側および病原体側の両方のプロテアーゼの視点に立って包括的な解明を行った。具体的には、宿主側プロテアーゼとして免疫応答との関連が明らかにされているカテプシンE (CatE)を、病原体側プロテアーゼとして主要な歯周病原性細菌のジンジバリス菌が産生するジンジパイン(GP)を標的酵素として取り上げ、種々のモデル動物ならびにそれらに由来する各種細胞を用いて分子生物学的な解析を行った。また、歯周病および関連する全身疾患の予防・治療に向けた有効な方法論を確立するために、「cDNAディスプレイ法」を基盤とする蛋白質高速分子進化技術等を使って、これらの酵素を特異的に認識するCatE活性化ペプチドアプタマーおよびGP阻害性ペプチド性化合物を創出し、これらを臨床応用するための基礎的研究を行った。
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