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2011 年度 実績報告書

Wntシグナルによる破骨細胞ニッチ制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22390351
研究機関松本歯科大学

研究代表者

高橋 直之  松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (90119222)

研究分担者 小林 泰浩  松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 准教授 (20264252)
溝口 利英  松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (90329475)
二宮 禎  松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (00360222)
キーワード破骨細胞 / 破骨細胞前駆細胞 / 破骨細胞ニッチ / Wnt5a / Ror2 / Wnt非古典経路
研究概要

破骨細胞の前駆細胞は、分裂した後に細胞周期が停止した前駆細胞QOP(cell cycle-arrested quiescent osteoclast precursor)へ分化する。QOPは骨吸収刺激を受け、破骨細胞に分化する。骨芽細胞はQOPを長期間保持するため、我々はこの保持機構を破骨細胞ニッチと名付けた(J Cell Biol 184:541, 2009)。更に我々は、骨芽細胞が産生するWnt5aは、Frizzledの共受容体であるRor2(Wnt非古典経路)を介して、QOPから破骨細胞への分化を促進することを明らかにした。本研究では、破骨細胞ニッチを制御するWntシグナルを解明すること、および歯周病におけるWntシグナルを標的とした新しい治療法の確立を目指すことを目的とした。
(1)破骨細胞ニッチの解析:フローサイトメーターにて循環性QOPを同定した。循環性QOPが破骨細胞ニッチにホーミングすることを確認した。循環性QOはRANKを発現しており、骨吸収因子の刺激で細胞周期を回すことなく破骨細胞に分化した。また、樹状細胞への分化能はなかった。c-Fosは破骨細胞ニッチにおけるQOPのRANK発現上昇に重要であることが判明した。
(2)QOP特異的Ror2欠損マウスの解析:RANK-Creマウスを用いてQOP特異的Ror2欠損マウスを作製した。Ror2欠損マウスと同様にQOP特異的Ror2欠損マウスの骨量は減少していた。
(3)Wntシグナルの解析:βcateninが作用する場合その標的遺伝子を同定する予定であったが、βcateninが破骨前駆細胞で重要な役割を果していないことが判明した。そのため、この研究は行わなかった。一方、βcatenin非依存性シグナル((Wnt非古典経路)を解析し、JMKシグナルがRAMK発現上昇に重要であることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

循環性QOPを同定できたこと、および破骨細胞ニッチとコンディショナル欠損マウスの解析より、破骨細胞ニッチの形成にWnt-Ro2シグナルの重要性が証明できたことより、ほぼ順調に進展している。

今後の研究の推進方策

Wnt5-Ror2シグナルが破骨細胞の機構を調節していることが判明した。そのこめ、今後破骨細胞ニッチのけるWnt5-Ror2シグナルの骨吸収調節機構を解析する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] c-Fos plays an essential role in the up-regulation of RANK expression in osteoclast precursors within the bone microenvironment2012

    • 著者名/発表者名
      Arai A, et al
    • 雑誌名

      J Cell Sci

      巻: (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Lineage-committed osteoclast precursors circulate in blood and settle down into bone2012

    • 著者名/発表者名
      Muto A, et al
    • 雑誌名

      J Bone Miner Res

      巻: 26 ページ: 2978-2990

    • DOI

      10.1002/jbmr.490

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Wnt5a-Ror2 signaling between osteoblast-lineage cells and osteoclast precursors enhances osteoclastogenesis2012

    • 著者名/発表者名
      Maeda K, et al
    • 雑誌名

      Nature Med

      巻: 18 ページ: 405-412

    • DOI

      10.1038/nm.2653

    • 査読あり
  • [学会発表] 骨吸収を調節する骨芽細胞の新しい役割2011

    • 著者名/発表者名
      高橋直之
    • 学会等名
      第26回長崎骨粗鬆症研究会
    • 発表場所
      長崎県医師会館(長崎)(招待講演)
    • 年月日
      2011-11-30
  • [学会発表] Quiescent Osteoclast Precursors2011

    • 著者名/発表者名
      Naoyuki Takahashi
    • 学会等名
      2nd Asia-Pacific Osteoporosis and Bone Meeting
    • 発表場所
      Gold Coast Convention Center Gold Coast, Autraria(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-07

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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