研究課題
【目的】水プラズマで処理したときのエンドトキシン不活化効果と発光スペクトルおよびスチール製の歯科用切削バーの表面性状を検討することである。【方法】1.特注した3種の円板(直径10mm、厚さ2mm)を担体として、水プラズマによるエンドトキシン(E.coli055:B5、和光純薬、500EU/担体)の不活化効果を検討した。処理条件は、プラズマエッチング装置(PACKIII、ワイエイシイ,同軸電極)を用いて,出力150W、チャンバ温度60℃、水流量5~20sccm、ガス圧5~30Pa、処理時間10分とした。2.プラズマ処理中の発光スペクトルを調べた。3.スチール製切削バーを水プラズマで10回処理後の表面性状をSEMとEDXにて検討し、当病院の現行法であるオートクレーブ滅菌処理法の結果と比較した.【成果】1.水プラズマによるエンドトキシン不活化率はSUS円板が99%で最も高く、次いでガラス円板が95%,ポリイミド円板が59%であった.2.水プラズマの発光スペクトルは、309nm、487nm、657nmなどに水由来のピークが認められ、また,パージ時に取込まれた空気由来のピークもみられた.これらのピーク強度とエンドトキシン不活化効果ととの関係については明らかにすることはできなかった。3.バーを水プラズマで処理した場合には、10回処理後でも変色や腐食は認められず、EDXのスペクトルピーク強度比”O/Fe”は低値であった。一方,対照としたオートクレーブ処理法では1回の処理で変色や腐食がみられ,処理回数とともに腐食が進行し、ピーク強度比”O/Fe”の増大がみられた。以上より、水プラズマは、エンドトキシンに対しても高い不活化効果を有し,耐湿性の低い器材に対しても腐食や変色を伴わず処理できる実用性の高い新しい滅菌法になりえると思われた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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日本老年歯科医学会雑誌
巻: 27 ページ: 373-384
巻: 27 ページ: 69-76