研究課題/領域番号 |
22390362
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 啓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30178644)
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研究分担者 |
菅野 太郎 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (30302160)
林 栄成 東北大学, 病院, 助教 (60375102)
猪飼 紘代 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (20431588)
中村 圭祐 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (30431589)
河野 雅弘 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (70333226)
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キーワード | ラジカル殺菌 / ヒドロキシルラジカル / 過酸化水素 |
研究概要 |
〔目的〕 平成23年度は、本ラジカル殺菌技術のin vivoでの抗菌活性及び生体安全性を評価することを目的とした。 〔方法〕 殺菌活性評価:プレドニゾロン投与により免疫抑制状態にしたラット背部に直径1cmの全層皮膚欠損創を作製し、黄色ブドウ球菌を接種した。創作製の翌日(1日後)および2日後に1 M H_2O_2と青色LED光を2分間創傷部全体に処理した。その2日後に創傷部皮膚を摘出し、培養試験に供した。 安全性評価:ラットの口腔粘膜に1 M H_2O_2と青色レーザー光の2分間処理を3日間行い、粘膜組織に対する影響を調べた。加えて、ラット背部に作製した直径1cmの全層皮膚欠損創辺縁部に同様の処理を行い、その後の治癒過程の対する影響を調べた。 〔結果〕 殺菌活性評価:水だけを処理した対照群に対して1 M H_2O_2+青色LED光処理群では、回収された生菌数は約1/100(2logオーダー)と有意に減少した。水+青色LED光処理群、1 M H_2O_2単独処理群では殺菌効果は認められなかった。 安全性評価:1 M H_2O_2+青色レーザー光処理群の口腔粘膜組織像は、水だけを処理した対照群と同様であり、異常所見は認められなかった。ラット皮膚創傷モデルにおいても1 M H_2O_2+青色レーザー光処理群で治癒の遅延はなく、組織学的にも異常所見は認められなかった。 以上、in vitroで抗菌活性を発揮する条件で、本殺菌技術のin vivo表在性感染モデルでの抗菌活性を確認するとともに、局所粘膜および損傷皮膚への急性の影響を検討し、安全性に問題がないことを確認した。
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