研究課題/領域番号 |
22390364
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
矢谷 博文 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (80174530)
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研究分担者 |
佐伯 万騎男 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (30273692)
江草 宏 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30379078)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 小分子化合物 / ケミカルバイオロジー / 骨芽細胞 / 骨組織再生 |
研究概要 |
抜歯、歯周病等に起因する歯槽骨吸収を抑制し、失われてしまった歯槽骨を再生することは、補綴歯科治療の良好な予後のために非常に重要な課題である。本研究の目的は、ケミカルバイオロジーのアプローチによって、数千種類もの生理活性化合物の中から骨代謝を骨形成に強力に促す分子を同定し、補綴歯科治療において切望される歯槽骨形成治療薬として臨床応用へと展開するための研究基盤を確立することである。前年度までに、破骨細胞レポーター株および骨芽細胞レポーター株を用いてケミカルライブラリースクリーニングを行い、破骨細胞分化に対して抑制的に作用する化合物、および骨芽細胞分化に対して促進的に作用する化合物を検出してきた。本年度は、検出した3種類の化合物(骨形成促進剤候補化合物)の細胞毒性について検討した。WST-1法、死プロテアーゼ蛍光検出法の結果、これら候補化合物は10μM以下の濃度では細胞毒性を引き起こさないことが明らかとなった。また、これらの化合物が、マウスの骨芽細胞前駆細胞、間葉系幹細胞およびiPS細胞の骨芽細胞分化に促進的に作用することを、アルカリフォスファターゼ活性測定、RT-PCR解析およびvon Kossa染色法を用いて確認した。また、候補化合物を頭蓋骨欠損ラット実験モデルに投与し、術後21日後の骨組織再生を、HE染色およびマイクロCT画像解析により評価した。その結果、頭蓋骨欠損部位への候補化合物の投与は、骨組織体積および骨塩量を有意に増加させた。以上の結果から、本研究で構築したスクリーニングシステムは、骨芽細胞分化促進因子の検出を良好な信頼度で可能とすることが示唆された。今後、本研究で得たヒット化合物が標的とする骨芽細胞内の分子機構を明らかにし、各化合物の薬理活性を化学的な修飾によって向上することで、骨再生医療への創薬へつながることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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