研究課題/領域番号 |
22390370
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小笠原 康悦 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (30323603)
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研究分担者 |
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30178644)
中山 勝文 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (20453582)
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キーワード | 遅延型過敏反応 / 金属 / アレルギー / T細胞 / 炎症 / 医療材料 |
研究概要 |
近年、金属による疾患、すなわち炎症やアレルギー性皮膚炎は増加の一途にある。その背景として、歯科を含む医療技術の向上による金属材料の使用頻度の増加、およびピアスやネックレスなど装飾品をつける人の増加が挙げられる。しかし、金属による疾患の病態解明は進んでいない。本研究は、医療用材料、特に金属が引き起こす様々な障害、すなわち炎症や遅延型過敏反応について、申請者らが開発した動物実験モデルを用いて、その発症の分子機構を明らかにし新規診断法の開発へ向けた理論的基盤を確立することを目的とし、研究を遂行した。 本年度は、金属に反応する特異的T細胞集団の同定を中心に研究を行った。 1.申請者らの開発したマウスモデルを用いて、金属炎症および、金属による遅延型過敏反応(金属アレルギー)を誘導した。これまでの結果から、耳介に皮内投与する金属溶液濃度が高いと炎症が引き起こされることから、金属炎症と遅延型過敏反応との間で応答する免疫細胞集団の違いをフローサイトメトリー法、免疫組織染色法を用いて解析し、T細胞の浸潤を認めた。 2.金属に特異的に反応すると考えられるT細胞集団を濃縮するため、所属リンパ節からリンパ球を採取し、ヌードマウスへ移入後、金属溶液を耳介へ接種することにより金属アレルギーの誘導を行った。この「リンパ球移入~金属アレルギー誘導」を繰り返し、金属アレルギー特異的に増殖・活性化されるT細胞を濃縮することに成功した。
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