研究課題
現在、多くの医療用生体材料が開発され臨床応用されている。歯科治療においては、金属やレジン、セラミックスなどの材料が多用されている。特に金属は、その物質的特性である剛性、弾性、延性および加工のしやすさから、歯科領域においては義歯材料、歯冠修復材料、そしてインプラント体ならびにその上部構造材料等として、また医科領域においても人工関節材料、血管ステント材料等として頻用されている。しかしその一方では、金属による炎症や口腔疾患、アレルギー性皮膚炎が誘導される場合があり、その危険性は以前から指摘されてきた。近年、金属による疾患、すなわち炎症やアレルギー性皮膚炎は増加の一途にある。その背景として、歯科を含む医療技術の向上による金属材料の使用頻度の増加、およびピアスやネックレスなど装飾品をつける人の増加が挙げられる。例えば、厚生労働省の実態調査によると家庭用品に係る皮膚障害の約半数が金属炎症、アレルギーを含む皮膚炎であるとされている。しかし、金属による疾患の病態解明は進んでいない。そこで本研究は、医療用材料、特に金属が引き起こす様々な障害、すなわち炎症や遅延型過敏反応について、申請者らが開発した動物実験モデルを用いて、その発症の分子機構を明らかにし新規診断法の開発へ向けた理論的基盤を確立することを目的とする。本年度は、マウス金属アレルギーモデルにおいて、ヒト病態に近いモデルを作成することに成功した。また、霊長類を用いたT細胞解析系の樹立を試みた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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