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2011 年度 実績報告書

オートファジーの薬学的操作による口腔粘膜前駆/幹細胞の抗老化・維持システムの確立

研究課題

研究課題/領域番号 22390371
研究機関新潟大学

研究代表者

泉 健次  新潟大学, 医歯学系, 准教授 (80242436)

研究分担者 前田 健康  新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
寺田 典子  新潟大学, 医歯学系, 特任助教 (60374550)
キーワードオートファジー / mTOR / ラパマイシン / 口腔粘膜上皮 / 前駆/幹細胞 / ウェスタンブロッティング
研究概要

口腔粘膜前駆/幹細胞では厳密なオートファジー(自食作用)制御がなされることで、長期自己複製・再生能が維持されるという仮説を立て、rapamycinはオートファジー誘導剤であるにも関わらず、低濃度であれば培養細胞の長期生存に寄与することを証明することを目的としている。本研究では具体的に、細胞の長期生存はオートファジーという生理機能に起因することを分子レベルで解明した上で、in vivo環境にも目を移しインビトロレベルの分析と合わせ、分化度に応じて上皮細胞が本来有している"定常的"で至適なオートファジーレベルを解析・解明しようとするものである。
本年度の途中までは、専らウェスタンブロッティングを用いた実験手法に終始していたが、研究協力者や外部の専門家より、研究対象の細胞に確実にオートファジーが起こっていることをまず、透過電顕で確認する必要があるとのコメントを頂いた。その後は急きょ、透過電顕により細胞質内にオートファゴソームが恒常的に観察されるか検討を始めた。カルシウム濃度を上げて培養上皮細胞に分化を誘導し、細胞同士を接着させ上皮シートを形成させた。この状態の細胞では容易にオートファゴソームを観察できた。皮膚の上皮細胞で散見されていた報告と一致した。いままでアポトーシスによって口腔粘膜上皮細胞は分化して剥げ落ちるとされていたが、オートファジーもこの過程に関わっていることを明らかにした。現在、通常の低カルシウム濃度で培養した細胞にオートファゴソームがあるか確認中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

透過電顕により細胞質内にオートファゴソームが恒常的に観察されるかの検討を示唆されたので、電顕的検索を開始し、やや実験計画の回り道をせざると得なくなったため。

今後の研究の推進方策

口腔粘膜上皮細胞におけるオートファジーの検索を行った報告はいままでないため、電顕的検索を行う意義は大きい。一方、研究協力者である猪木博士により、TOR-Autophagy Spatial Coupling Compartment (TASCC)という現象がScience誌に報告された。これはオートファジーのレベルは分化した細胞とそうでない細胞であまり差がないが、細胞質の部位によって細胞内小器官の分布が異なることが示唆された。今後、この生物学的現象をヒト口腔粘膜の上皮細胞で確認することで細胞の分化や老化に関わるオートファジーと、細胞の未分化な状態の維持に関わるオートファジーの違いは、トータルの量ではなくて、部位による違いであることを初めて口腔粘膜上皮細胞でおこっているかどうか確認したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Clinical Trials in TE/RM : Oral Mucosa2011

    • 著者名/発表者名
      泉健次
    • 学会等名
      4th International Conference on Biomedical Engineering
    • 発表場所
      Ho Chi Minh City(招待講演)
    • 年月日
      2011-01-10

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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