研究課題/領域番号 |
22390379
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鬼澤 浩司郎 筑波大学, 医学医療系, 教授 (60194578)
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研究分担者 |
竹内 薫 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00192162)
山縣 憲司 筑波大学, 医学医療系, 講師 (00420084)
正田 純一 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90241827)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 口腔癌 / 悪性挙動 / 糖鎖医学 / 糖転移酵素 / 分子標的治療 |
研究概要 |
口腔悪性腫瘍 (口腔癌)は高齢者に高発する癌腫であり,今後の高齢化社会を迎えるにあたり患者数が増加することが見込まれている.細胞表面の粘液糖蛋白の糖鎖構造は癌化により変化をきたし,浸潤・転移の悪性挙動に重大な影響を与える.口腔癌の臨床標本の解析と臨床経過に関するDBの構築し,口腔癌における糖転移酵素のN-アセチルグルコサミン転移酵素V(GnT-V)の発現状態と比較検討した. 口腔扁平上皮癌と診断された73例のGnT-V発現陽性は69.8%であった.単変量解析ではGnT-V陰性群において,有意に60歳未満(P = 0.008),女性(P = 0.041),アルコール摂取(P = 0.035)が多かった.しかし,喫煙,T分類,Stage分類(StageI+IIとStageIII+IV),リンパ節転移の有無,分化度(well+moderateとpoor),Anneroth分類に関しては有意差を認めなかった.GnT-Vの陽性群,陰性群間で術後再発,転移率に有意差は認めなかったが,GnT-V陰性群において5年生存率が有意に低いという結果であった(GnT-V陽性群:87.3%、GnT-V陰性群:60.9%、P = 0.025).臨床病理学的特徴の因子とGnT-V発現について多変量解析を行ったところ,5年生存率とGnT-Vの発現の有無には有意差を認めた.GnT-Vの発現低下が生じることにより約5倍程度に生命予後が不良になる結果であった.また,術前化学放射線療法を併用した症例において,GnT-V陰性群は5年生存率が低く予後不良であったことから,GnT-Vの発現低下は,化学放射線療法に対して抵抗性となる可能性が示唆された.GnT-Vの発現低下が口腔癌の予後不良因子としてのバイオマーカーになりえることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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