研究課題/領域番号 |
22390380
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
鵜澤 一弘 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (30302558)
|
研究分担者 |
白澤 浩 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00216194)
齋藤 謙悟 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (70451755)
|
キーワード | リポソーム / 腫瘍特異的 / 画像診断 |
研究概要 |
本研究では、独自開発ハイブリッド型リポソームの腫瘍特異的吸着性を利用して、各種イメージング機器(CT、PET、SPECT、MRI、可視光、蛍光、近赤外線などの光を利用する機器、超音波を利用する機器)の高性能な新規の増感剤、造影剤、ターゲット分子を開発することを目的とする。 昨年度構築した、増感剤内包リポソームの作成から担癌マウスへの投与とCT検出する実験系を用い、今年度は、S/N比を向上させるため、リポソームへ増感剤を高濃度に内包する検討を行った。 内封濃度を上げるには水和時に高濃度の造影剤で行えば良いが、粘性が上がり、内封率が上がらなく、その後の外水層の造影剤の除去が問題点となった。そこで、リポソームを先に作り、イオン勾配法にて内封する方法を検討した。内水層をpH8.0以上のバッファー(CHAPS、CHES、TAPS、Bicine、Tricine)にし、外水層がpH3.0のリポソーム溶液に、アルカリ溶解性のヘキサブリックを添加し、イオン勾配により内封する。最も、pHが高くリボソームを作製できたのがCHESであり、ヘキサブリックの添加量と時間の検討を行った。作製されたリポソームの平均CT値は280で、コントロールのリポソームは240であった。担癌マウスでのS/N比の向上は確認できなかった。同リポソームの集積性は、蛍光標識をし、S/N比が約15%向上していることは確認した。以上から、リポソームの修飾中に造影剤の漏洩が考えられた。そのため、リポソームの硬度を上げるために、組成をDPPCとcholesterolに変更し、造影剤はイオヘキサールを選択した。また、従来の水和法に加え、従来のように脂質膜を作製せず、脂質溶媒に造影剤溶液を混和し、後から、溶媒除去を行う水和法を行った。更に、外水相の造影剤の除去を透析で行った。その結果、平均CT値は、前者が350、後者が480となった。両リポソームとも粒度分布測定で粒子径が200nmであり、経時的に安定したものが得られた。今後、腫瘍特異的吸着性を示すシンドビスウイルス(SIN)成分をハイブリッドする条件検討と担癌マウスでの機能を検討する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
腫瘍特異的蛋白が付与できる組成のリポソームへの造影剤内封率を向上することができた。また、マウスへの投与後も副作用はなく可能であった。
|
今後の研究の推進方策 |
今後はin vivo効率良く検出するために、投与量、投与後の撮影時間、撮影条件等を検討する。 問題点として、撮影機器が共通機器であるため使用方法に制限があり、特に、撮影までの移動が長く、時間がかかるため計画通りの実験動物種では負担が大きいため、動物種の変更等も検討する。
|