• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

ヒト歯髄由来組織幹細胞のステムネス性維持とiPS細胞の良質化

研究課題

研究課題/領域番号 22390383
研究機関岐阜大学

研究代表者

柴田 敏之  岐阜大学, 医学系研究科, 教授 (50226172)

研究分担者 畠山 大二郎  岐阜大学, 医学系研究科, 助教 (60377653)
牧田 浩樹  岐阜大学, 医学系研究科, 講師 (50345790)
加藤 恵三  岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (40397336)
長瀬 朋子  岐阜大学, 生命科学総合研究支援センター, 助教 (20397326)
川口 知子  岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (30509815)
キーワード再生医学 / 発生・分化 / 歯髄 / iPS細胞 / 癌化
研究概要

本研究では、我々が保有する豊富なヒト歯髄幹細胞(ヒト歯髄バンク)を用いて、「細胞のステムネス性維持における低酸素の有用性と細胞のステムネス性がiPS細胞誘導効率に関与するか否か」を明らかとし、細胞初期化における基本的な知見を得ることを目指す。また、iPS細胞では、以後の「がん化」の問題が大きな課題となっており、「安全なiPS細胞」の樹立方法を探ることを目的としている。この成果として;
1.低酸素培養(3%O_2)により、増殖性の向上、初代培養の樹立効率の向上(特に高齢者歯髄からの樹立効率の向上)が観察され、また、低酸素培養によりstro-1(未分化マーカー)陽性の細胞の維持と分化能(dentine matrix 1 etcの発現維持)が観察された。さらに、低酸素条件にてiPS細胞誘導効率が向上することが示された。
2.OCT3/4,SOX2,KLF4,LIN28,L-MYC,p53shRNAという6つの因子をエピソーマル・プラスミドを遺伝子導入ベクターとして用い、細胞のゲノムに外来遺伝子挿入のないヒトiPS細胞を効率よく樹立できることを見出した。また同時に、上記の樹立方法で、日本人の約20%への移植適合性を示すHLA3座ホモの歯髄細胞2株から、外来遺伝子の挿入のないiPS細胞を樹立し、ドーパミン神経細胞や網膜色素上皮細胞に分化することを確認し、ヒト歯髄幹細胞がiPS細胞バンクの素材として有益であることを示した。
3.保有するヒト歯髄細胞の中からiPS細胞誘導効率の高いラインと低いラインを見い出しその差をDNAアレイ検索した所、EMTに関わる遺伝子発現(上皮系の形質発現に関わる遺伝子の関与)が高い程、誘導効率が良いことが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

iPS細胞誘導効率に関わる因子の解析は順調に成果を得て来ており、論文発表も可能な所まで来ている。しかしながら、解析材料は得て来ているものの本研究の目的の一つである「がん化」の解析がなされておらず、この面において最終年度までに成果が得られる様に努力を傾注する必要があると考えている。このため「(2)おおむね順調に進展している」と自己評価した。

今後の研究の推進方策

最終年度まで残り2年あることより達成度で述べた遅れている部分(がん化の解析)の計画も挽回可能と考えている。このため、現時点において基本的な計画変更の必要はなく、申請計画書に従って粛々と遂行することを予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ヒト歯髄細胞の樹立・iPS細胞化に及ぼす低酸素の影響2011

    • 著者名/発表者名
      飯田一規, 他5名
    • 学会等名
      第56回日本口腔外科学会総会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪市)
    • 年月日
      2011-10-21
  • [学会発表] ヒト歯髄細胞からゲノムへの遺伝子挿入のないiPS細胞の誘導2011

    • 著者名/発表者名
      玉置也剛, 川口知子, 飯田一規, 畠山大二郎, 柴田敏之
    • 学会等名
      第65回日本口腔科学会総会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都)
    • 年月日
      2011-04-21

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi