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2011 年度 実績報告書

iPS細胞を用いた人工神経管による顎・顔面領域における神経再生に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22390385
研究機関京都大学

研究代表者

茂野 啓示  京都大学, 再生医科学研究所, 非常勤講師 (00162587)

研究分担者 中村 達雄  京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (70227908)
キーワードiPS / 人工神経管 / 神経再生 / in situ Tissue Engineering / 分化誘導 / C.R.P.S
研究概要

これまで再生が困難とされてきた顎、顔面外科領域の特に知覚をつかさどる三叉神経の末枝である下顎神経に対し、我々は新しく開発した合成高分子+コラーゲン複合材料(人工神経管)とin situ Tissue Engineeringの手法を用いることにより、この下顎神経を再生させ得るかどうかを大型動物を用いた動物実験で解明し、顎・顔面外科領域の特殊な条件下で使える新しい神経管の応用に、一定の成果を上げてきた。
また、下顎腫瘍切除の際等の下顎神経損傷が原因で起きていた神経因性疼痛(特に難治性疼痛-いわゆるC.R.P.S)に対し、我々の開発した人工神経管を用いることが動物実験においてかなりの臨床成果が得られることが電気生理学的な検証によりわかってきた。これらの実績に基づき、今回我々の研究室で世界で初めて作製されたイヌiPS細胞(万能細胞)を用い従来の合成高分子+コラーゲン複合体である人工神経管において三次元培養を行い、これを神経損傷部と置き換えることにより、運動神経や混合性神経再生の早期の治癒に用いることを目的としている。またイヌiPS細胞をHeparin,Vitamin B_<12>等誘導因子を加えたり培地の組成を改良することにより、神経幹細胞に分化誘導できたので、そのiPS細胞を経由し、神経幹細胞に誘導された細胞を神経再生実験に使用し良好な実験結果を得ている。今後、臨床効果の確認と安全性の評価ができれば、臨床応用を検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

イヌiPS細胞の作製は非常に困難で、再現性を確立するまでには至っていない。この問題を解決するよう考えている。

今後の研究の推進方策

イヌiPS細胞の作製は非常に困難で、再現性を確立するまでには至っていない。むしろiPS細胞を作製する手順で、直接神経幹細胞に誘導した細胞は再現性のある作製が期待できるので、今後の実験にはこの手法を用いることを計画している。無論iPS細胞から分化誘導させた神経幹細胞による神経再生も引き続き行う。また三次元培養及び足場として用いるcollagen scafoldをさらに改良しより効率よく神経再生が行えるよう改良を模索しようと考えている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Accelerated generation of human induced pluripotent stem cells with retroviral transduction and chemical inhibitors under physiological hypoxia.2012

    • 著者名/発表者名
      Shimada, H.
    • 雑誌名

      BBRC

      巻: 417 ページ: 659-664

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2011.11.111

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 肺における再生医療2011

    • 著者名/発表者名
      中村達雄
    • 雑誌名

      Clinical Engineering

      巻: 22 ページ: 32-36

  • [雑誌論文] Implantation of an atelocollagen sponge with autologous bone marrow-derived mesenchymal stromal cells for treatment of vocal fold scarring in a canine model2011

    • 著者名/発表者名
      Ohno, S., Hirano, S., Kanemaru, S., Kitani, Y., Kojima, T., Tateya, I.Nakamura, T., Ito, J
    • 雑誌名

      Ann Otol Rhinol Laryngol

      巻: 120 ページ: 401-408

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 多次元MRIを用いた顎機能診断への期待2011

    • 著者名/発表者名
      東高志、中井隆介、渡邊誠、茂野啓示
    • 雑誌名

      歯界展望

      巻: 117 ページ: 795-816

  • [雑誌論文] Use of adipose-derived stromal cells for prevention of esophageal stricture after circumferential EMR in a canine model2011

    • 著者名/発表者名
      Honda, M.
    • 雑誌名

      Journal of Gastroenterology

      巻: 46 ページ: 866-872

    • DOI

      10.1007/s00535-011-0400-3

    • 査読あり
  • [学会発表] 外傷性末梢神経分岐部・高位欠損治療に使用されたPGA-Collagen tube内で本当に神経は再生しためか?-2症例の8年follow-upから2011

    • 著者名/発表者名
      稲田有史
    • 学会等名
      第38回日本マイクロサージャリー学会学術集会
    • 発表場所
      新潟
    • 年月日
      20111110-20111112
  • [備考]

    • URL

      http://www.frontier.kyoto-u.ac.jp/ca04/index.html

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公開日: 2013-06-26  

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