研究課題/領域番号 |
22390391
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
香西 克之 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 教授 (10178212)
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研究分担者 |
光畑 智恵子 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (10335664)
大原 紫 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (80634469)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | ミュータンスレンサ球菌 / 齲蝕 / プラークエコシステム / 酸性環境 / early childhood caries / 酸産生能 |
研究概要 |
1~6歳の小児を対象とし,caries free(CF)及びearly childhood caries(ECC)を低齲蝕群,sever early childhood caries(S-ECC)を高齲蝕群とした。小児より採取したプラーク中の口腔レンサ球菌に占めるS. mutans の比率をReal-time PCR 法により算出した結果,同菌の比率が齲蝕重症度と正の相関関係にあることが示された。 続いて,酸性環境下において高齲蝕群から得た株ではmRNA 発現量が有意に増加したのに対して低齲蝕群では有意に減少した。また,glucose,sucrose などの糖を添加した酸性環境下では,高齲蝕群から得た株は中性で糖を添加した時と比較してmRNA 発現量は増加したが,低齲蝕群では増加しなかった。 さらに,酸産生能と齲蝕重症度との間に関連性は見いだせなかった。耐酸性能について,高齲蝕群から得た株の生存率は,低齲蝕群と比較して有意に高かった。また,臨床分離株をgtfB のmRNA 発現量を測定したときと同じ条件で培養後,耐酸性能に関与するF-ATPase のβ-subunit であるatpD のmRNA 発現量をReal - time RT - PCR 法で測定した。高齲蝕群から得た株では,酸性環境およびglucose を添加した条件下でmRNA 発現量に増加傾向が認められた。低齲蝕群でも酸性環境下でmRNA 発現量に増加傾向が認められたが,発現量は少なく,glucose 添加条件下で高齲蝕群は有意に多くmRNA を発現していた。 本研究より,プラーク中のS. mutans の比率が齲蝕重症度に関与しており,高齲蝕群,低齲蝕群から得たS. mutans の性状は,特に酸性環境下における齲蝕関連遺伝子のmRNA 発現量に大きな違いが認められることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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