研究課題
本研究は小児期の咬合異常を引き起こす気道通気障害の診断に、3次元管腔気道形態から流体シミュレーション技法を用いて通気機能を評価し、顎咬合状態との関連評価を行うことを目的とした。具体的には気道通気障害による骨格的な咬合異常が疑われる小児と、気道通気障害ならびに咬合異常のみられない小児を対象に、本研究の研究協力者の所蔵しているCTデータから、上気道である鼻腔、上咽頭、下咽頭、舌根部各部について、3次元ボリューム処理を行い、圧力分布、速度分布等の流体解析を行うことで、通気機能を正確に把握し、気道通気障害が顎咬合状態にどのような影響を及ぼしているかを明らかにすることである。平成22年度は交付された経費で購入した物品を用い、上顎急速拡大治療による鼻腔の通気状態の改善効果について流体シミュレーション技法を用いて評価を行った。その結果、本法が鼻腔通気機能と上顎歯列咬合状態の関連を明らかにした。(第69回日本矯正歯科学会大会優秀発表賞受賞)また、これまでのところ上気道全体の3次元モデルから通気状態の評価を応用した研究は見当たらないので、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療成績向上を目的として、呼吸シミュレーションを通気障害部位の特定と、治療予測モデルによる予知性の高い治療結果を得るための新しい解析システムの確立も進めている。本方法により、これまで解析の及ばなかった顎顔面頭蓋の先天奇形児など、あらゆる上気道の閉塞性通気障害を生じる先天異常症例に対しても、原因部位の特定と治療方法の選択に応用が期待できる。
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http://www.hal.kagoshima-u.ac.jp/Pedo/kenkyu_gyoseki_01.html