研究課題/領域番号 |
22390400
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小坂 健 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (60300935)
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研究分担者 |
近藤 克則 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (20298558)
相田 潤 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (80463777)
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キーワード | 要介護認定 / 糖尿病 / 歯科保健 / 社会的決定要因 |
研究概要 |
目的:高齢者の健康に、社会的決定要因に起因する格差が存在する。また、口腔の健康と全身の健康の関連が示されている。本研究では、全身の健康と、社会経済状態および口腔保健状態の両者の関連は日本においてあまり検証されていない。 方法:65歳以上の要介護認定を受けたものを含む高齢者を対象とした、質問紙を用いた横断研究を実施した。全身の健康のアウトカムとして、要介護認定の有無、糖尿病の有無を用いた。残存歯数、教育年数、性別、年齢、飲酒歴、喫煙歴、歩行時間を説明変数とした、多変量ロジスティック回帰分析を行った。 結果:5058名の回答者の内、要介護認定を受けている者は560名、糖尿病の既往歴のある者は182名であった。多変量ロジスティック回帰分析の結果、歯が20本以上ある者に比べ残存歯数が少ない者で要介護を受けているオッズが高い傾向にあった(10-19本;OR=1.1(p=0.712)、1-9本;OR=1.4(p=0.046)、0本;OR=1.6(p=0.008)。教育年数は、13年以上の者に比べ、6年未満の者で有意に高かったが(OR=1.6)、6-9年、10-12年の者で有意に低かった。糖尿病においては、歯が20本以上ある者に比べ残存歯数が少ない者で要介護を受けているオッズが高い傾向にあった(10-19本;OR=1.3(p=0.040)、1-9本;OR=1.3(p=0.031)、0本;OR=1.5(p=0.007)。教育年数は、13年以上の者に比べ、低い場合にオッズが高い傾向にあった(教育年数6年未満;OR=1.3(p=0.340)、6-9年;OR=1.3(p=0.044)、10-12年;OR=1.3(p=0.019)。 結論:口腔の健康および社会経済状態は、要介護認定および糖尿病の有無に関連した。歯の健康増進および、環境的なリスクの高い者をターゲットとした介入が必要だろう。
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