研究課題
熊本日赤健康管理センターにて2003年と2011年に歯科健診を受診した430人(平均年齢58.6 ± 11.1歳、男性308人、女性122人)を対象として血清中のPorphyromonas gingivalis(Pg)抗体価、歯周病、全身状態の関連性を検討した。2003、2011年において、歯周組織状態をCommunity Periodontal Index(CPI)で評価し、2003年の全身状態は身体測定や血液生化学的検査の結果から評価した。また、2003年に冷凍保存された血清からPg抗体価を評価した。歯周組織状態は、2003年でCPIコード3以上の者は47.8%(男性49.7%、女性43.4%)であった。2003年から2011年までの歯周組織状態の変化では、2003年でCPIコード2以下だったが2011年でCPIコード3以上、または2003年と2011年ともにCPI コード3以上であった場合を歯周病の維持悪化とみなすと、男性で歯周病の維持悪化があった者は53.2%であったのに対し、女性では34.4%であった。Pg抗体価の解析をするにあたり、全体の上位20%をPg抗体価高値とすると、男性でPg抗体価高値は18.2%で、女性では25.4%であった。歯周病の維持悪化とPg抗体価の関係では、男性で2003年のPg抗体価が高値の者ほど歯周病が維持・悪化していたが(p < 0.001)、女性ではこの傾向はなかった(p=0.068)。また、ロジスティック回帰分析で、歯周病の維持悪化を従属変数として解析すると、男性ではPg抗体価が高いと歯周病が維持悪化していたが、女性では、高感度CRPが高いと歯周病が維持悪化しており、男性ではPg抗体価が歯周病の発症に影響し、女性では全身の炎症状態が歯周病の発症に関係する可能性が示唆された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Periodontology
巻: 84 ページ: 94-99
10.1902/jop.2012.110528
巻: 83 ページ: 1363-1371
10.1902/jop.2012.110605