研究課題/領域番号 |
22390405
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
倉元 直樹 東北大学, 高等教育開発推進センター, 准教授 (60236172)
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研究分担者 |
鈴木 幸子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (30162944)
西川 浩昭 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (30208160)
西郡 大 佐賀大学, アドミッションセンター, 准教授 (30542328)
小山田 信子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40250807)
木村 拓也 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (40452304)
柳井 晴夫 聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (60010055)
吉沢 豊予子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80281252)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 看護学教育 / 大学入試 / 学力 / 適性 / 4大化 / 文系 / 理系 / 進路選択 |
研究概要 |
医療の高度化に伴い,看護系専門職には理系・文系の双方の適性と高度な知識が必要となっている.従来,複線的な人材養成を行ってきたことが特徴的な分野であるが,最近は急速に4大化が進んでいる.拡大を続ける看護系大学の入試形態は,文系・理系が錯綜して複雑な様相を呈している.その結果,看護系専門職を志す高校生は進路選択の上で難しい判断を迫られている.本研究では,現状の教育制度の下で,看護系大学のための入試戦略モデルの構築を試みることを目的としている. 本研究は,「海外調査」,「大学調査」,「高校調査」の3つの柱を立て,それぞれを平行に進める予定としていた.平成25年度は5年間の研究計画の4年目にあたる.平成24年度までに,予備調査,本調査合わせて約2,000名の看護学生を対象とする大学調査プロセスを終了している.また,海外調査も平成22年度に米国,台湾,平成23年度にドイツを対象として実施した.そこまでの研究成果は平成25年3月に刊行した「中間報告書」にまとめられている. 平成25年度は,本研究計画の中で未着手で残っていた高校調査プロセスを実行に移した.まず,予備調査として高校の進路指導担当教員に対する聞き取り調査を行った.得られた成果を基に,8ページにわたる調査票を作成し,特別支援学校を除いてランダムに抽出した全国2,000校を対象に郵送法による質問紙調査を実施した.平成25年3月末現在,約1,000校からの回答を得たところである.質問紙の構成は「I.貴校について」「II.進学先と入試」「III.看護系への進学の理由・適性」「IV.高校時代の学習履歴」「V.その他」の5つのセクションから成る.そのうち,いくつかのセクションは大学調査によって看護系学生から得た回答と比較可能な形で設計されている.高校プロセスで得られた調査データの分析は,最終年度となる平成26年度に行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「海外調査」と「大学調査」を先行して進める方針は,想定以上に早く進展し,平成24年度までに当初の計画をほぼ完了することができた.また,平成24年度に中間報告書を出すこともできた.この間,学会発表や学会でのシンポジウム,学術雑誌への執筆等,研究成果の発表も順調であった.「大学調査」に関しても,平成25年度に着手することができた.そういった点では,研究機関全体を通じての研究計画の遂行に遅滞や支障はなく,当初の計画以上に順調に進展していると評価できる. 一方,平成25年度においては,研究分担者柳井晴夫氏の逝去という悲しい出来事も有り,研究成果の発表という面では十分と言えるほどの進展がみられたかどうか,ややおぼつかない.高校調査の分析とともに,最終年度である平成26年度に持ち越した形である.なお,最終年度である平成26年度には,柳井氏に代わり,同じ聖路加看護大学(平成26年4月から聖路加国際大学)に着任した奥裕美氏に研究分担者として加わってもらい,これまでの研究成果をまとめる際に活躍していただく予定である.
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終年度に当たり,前半は「高校調査」の集計,分析が主たる課題となる.おおむねめどがついた頃に,研究分担者が一堂に会して,研究打合せのための研究会を持つ予定である.さらに,主として高校調査の結果を中心に,いくつかの学会で研究成果を披露する.秋口に研究成果報告書の作成を目的とした研究会を持ち,成果をまとめる予定である.
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