本研究は、大学院教育における遺伝看護教育について、電子媒体導入による連携教育の可能性を探究してきた。 本年度は、これまで遺伝看護学教材として作成してきたものを精選し、さらに平成25年度専門看護師教育課程基準「遺伝看護学教育課程」に則り、専攻分野専門科目に該当する科目「遺伝看護援助論」(2単位)のシラバスを基に、代表的な遺伝形式・遺伝特性を含んだ2つの事例を電子媒体の教材として作成した。そして、3大学院の研究協力者(学習者)7名および大学院教員 4名によるweb学習(IDとPWによりサイトにアクセスし、学習や指導を行った。学習の質保証としては、試験(60%以上の解答がない限り正答は見れない)とレポート提出により評価を行った。評価は、学習者の学習成果物からの学習内容・方法の妥当性、学習者による授業評価(目標の達成道、遺伝看護能力の習熟度の3段階評価とe-learningに対する感想。意見)、教員に対しては面接調査(シラバス・学習方法、e-learningシステム導入における課題)を行った。その結果として、提示した教材は教育目的に沿ったものではあるが、展開をしていく上で、特に意見交換をする際のファシリテーターとしての役割についての課題が明らかとなった。 さらに、大学院教育に従事している遺伝看護に関連する教科目担当教員 3~4名から成る 2グループへの電子媒体を用いた遺伝看護教育に関するインタビュー調査を行った。その結果、専門的な知識や技術を要することから、教育展開への導入が有用である。しかし、知識の部分は良いがケアの演習技術に対する教育者の能力を考慮すると、専門の教員のいる教育施設との連携した教育が望ましいとされた。
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