研究概要 |
効果的な母乳育児支援を行うための、哺乳行動を中心とした母乳育児の評価指標を示していくことを目的に、早期新生児の吸啜圧と圧パターンの経時的変化を観察し、既に作成し信頼性と妥当性の検討を行った哺乳行動アセスメントツール(以下、BBAツール)との関連性を検証する。 そのために本年度は、(1)早期新生児の哺乳行動に関する最近の知見を整理すること、(2)早期新生児の吸啜圧測定のための機器の準備、(3)吸啜圧測定手技の習得、(4)本研究に向けてプレテストを計画し、実施した。 (1)については、児の乳汁の飲み取りには舌の蠕動運動よりも、むしろ軟口蓋付近の陰圧によるものの方が重要であることが報告されていた(Hartmann,2009)。(2)、(3)については、吸啜圧測定機器としてデータ収集・解析システム(PowerLab26TML856,BPアンプML117)を購入し、測定用品の準備および測定手技の確認を行った。(4)については、研究協力を頂いた産科施設2ヶ所にて、実際の授乳場面にて吸啜圧測定を実施すると同時に、BBAツールによる授乳の評価をプレテストの目的で実施した。その実施に際し研究協力者への倫理的配慮としては、聖母大学研究倫理委員会の承認(受付番号24)を得、書面と口頭での説明を行い、同意を得られた母児を対象とした。結果は、8組の母児に対して、分娩後24時間以内(分娩後2時間~分娩後18時間)、分娩後24時間以降、分娩後3日目、分娩後5日目の4時点で吸啜圧を測定し、入院中毎日1回/日においてBBAツールによる授乳の評価を行った。データ分析については今後着手予定であるが、プレテスト実施による課題や研究方法の再検討を行い、次年度の本研究に向けての準備を行っていく。
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