研究課題/領域番号 |
22390414
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
久保 恭子 埼玉医科大学, 保健医療学部, 准教授 (10320798)
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研究分担者 |
田村 毅 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (10242231)
岸田 泰子 杏林大学, 保健学部, 教授 (60294237)
倉持 清美 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (30313282)
前田 潤 室蘭工科大学, 工学研究科, 准教授 (90332478)
田崎 知恵子 日本保健医療大学, 看護学科, 准教授 (00389892)
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キーワード | 災害看護学 / 被災家族 / インタビュー調査 / 質問紙調査 |
研究概要 |
本年度の実施計画は下記の3点であった。 1、 文献検討について:国内外の文献をまとめ一覧化した。 2、 インタビューガイドの作成と倫理委員会での承認:インタビューガイドの作成とともに倫理委員会に提出をし、研究の承認をもらった。 3、 インタビューの実施:三宅島島民15名、新潟県県民4名、スクールカウンセラーなど、継続的に支援にあたっている方にインタビュー調査を行った。この際、災害の規模や地域特性によって、インタビューの内容が大きく異なることから、各地域における家族の特性を理解するために質問紙調査を実施した。 これらの調査から、災害後、子どもの誕生という家族の変化や自衛隊や行政などの支援に感謝している家族は復興期に入り、心身ともに落ち着いていた。一方で、経済面での心配や家屋の悩みを持つ家庭では心身ともに問題を抱える傾向があることがわかった。今回の対象者らは災害後、6年から10年と経過をしているが、なお災害の影響があることがわかり、今後、災害急性期、亜急性期に被災者らがある程度、満足できるような支援を提供することが鍵であることがわかった。また、災害前より、家庭環境に問題を抱えているケースや発達障害など子どもに特別なニーズのあるケースでは、災害後の立ち直りに時間がかかり、災害後6年が経過して初めて『子どもの不登校やチック、いじめ』などの問題にぶつかり、支援を求めてくるケースがあることが報告された。 本年度末に、東日本大地震がおき、今後は、他の専門職者らと連携をしながら、アクションリサーチも含め実践しつつ研究を続け、家族の10年後を見据えた支援を提供していけるように、過去の災害から学んだことを、今回の災害支援で生かしていくことが重要である。
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