研究課題/領域番号 |
22390414
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研究機関 | 横浜創英大学 |
研究代表者 |
久保 恭子(木村恭子) 横浜創英大学, 看護学部, 教授 (10320798)
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研究分担者 |
田崎 知恵子 日本保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00389892)
倉持 清美 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (30313282)
岸田 泰子 杏林大学, 保健学部, 教授 (60294237)
前田 潤 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90332478)
及川 裕子 園田学園女子大学, 健康科学部, 教授 (90289934)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 災害看護 / 祖母・家族内での支援 / 発達障害児 / セルフヘルプグループ |
研究概要 |
東日本大震災後の子育て期の被災家族に対して、インタビュー調査を続けながら、子育てサロン等の支援を続けてきた。 インタビュー調査からわかったこと:多くのケースで、有事の際は、祖母(母方祖母)の精神的な支援に支えられて生活が成り立っており、災害から1年6か月程度がすぎ、被災家族の生活が軌道に乗ると、逆に、被災家族が祖母らを支援するという支え、支えられるシステムがあることがわかった。 子育てサロン等での支援:子育て期の被災家族のネットワークつくり、避難先での生活支援等を行ってきた。災害後1年を経過したころから、メンバーの中でリーダー的な存在が現れ、現在では当時者間でのセルフヘルプグループとなってきた。しかし、多くの困難を抱えた場合はその調整役として、リーダーを支える役割として、研究者らも見守り支援という立場で参加を継続している。 研究発表の場として、論文を学会誌に投稿している。また、子育て支援を行っている支援者や保育・学校関係者らに、被災家族の特徴や具体的な支援の方法について、説明を行っている。 ホームページに関しては、論文の投稿が決まってから、オープンする予定である。子育て相談等に関しては、ホームページよりもファックスや電話のほうがよいという対象者からの声で、そちらの方法を取っている。年間、24件の相談があった。 被災家族を支援する支援者の声としては、発達障害児を持つ家族の支援の難しさについての意見が多く聞かれた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究と被災家族の支援を同時に行えていること、継続して被災家族のインタビュー調査ができているため。
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今後の研究の推進方策 |
・ 家族内での支援、特に祖母の力が大きいことが分かった。災害後、時間の経過とと もに、祖母と子育て期の被災家族との支援関係がどのように変化をしていくのか、 インタビュー調査で把握しつつ、祖母を含めた支援の在り方を模索していく。 ・ アクションリサーチ。本年度も継続して、セルフヘルプグループの支援を行ってい く。 ・ 被災家族を支援している民間の子育てグループへの支援。 発達障害児を持つ家族への支援。新潟県は福島県からの被災家族を多く受け入れて いる。新潟県内にあるNPO法人の子育てグループと連携を取りながら、被災家族の支 援とともに、支援する側のネットワークつくりや、困難感の緩和ができるよう、ミ ーティングや勉強会を開催していく。 ・ 東日本大震災後の復興がきわめて遅く、被災者の精神的な回復も遅れている。様子 を見ながら、できれば質問紙調査を行い、全体的な支援の在り方を把握したい。こ れは、昨年度も計画をしていたが、質問紙調査によるその後のメンタルヘルスのフ ォローができないことから見合わせていた内容である。被災家族の状況等を行政等 と情報を密にしながら、計画を立てていく。無理であれば、インタビュー調査を丁 寧に行い、支援の内容を検討していくこととする。
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